【3088】マツキヨココカラ&カンパニー/インバウンド回復と、低い食品比率で競合比優位続く。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3088】マツキヨココカラ&カンパニー(東証プライム) NT

現在値 6,480円/100株  P/E 24.0  P/B 1.93  3月配当優待 9月配当優待

都市型ドラッグストアの草分け。PBや化粧品、医薬品に強み。2021年にココカラと統合。
配当金は年2回・合計80円のため、配当利回りは約1.23%となります。

 

マツキヨココカラ&カンパニーは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対して、自社商品券2,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.85%となります。

業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 5,905億円、営業利益 375億円 EPS 255円
■2021年3月期 売上高 5,569億円、営業利益 315億円 EPS 210円 

■2022年3月期 売上高 7,299億円、営業利益 414億円 EPS 283円 

■2023年3月期 売上高 9,500億円、営業利益 578億円 EPS 269円 ce修正

□2022年9月2Q 売上高 4,650億円、営業利益 283億円 EPS 131円(11/14)

2022年9月中間期の売上高はYoY+67.9%の4,650億円、営業利益はYoY+81.5%の283億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。新型肺炎禍の一巡で行動制限が無くなったことから、比較的高採算の季節性商材が戻り、既存店売上高(SSS)は1H予算前提98.5%に対して、102.5%で仕上がりました。他方、利益面については、調剤診療報酬のマイナス改定があったものの、統合シナジーの発現継続、PB商品構成比増加により大幅増益を確保しました。出退店は2社合計で71店(純増49店)、改装37店となりました。

 

なお2023年3月期の通期見通しも増額しており、売上高はYoY+30.1%の9,500億円、営業利益はYoY+40.7%の578億円(期予:530億円)に修正しています。2Hの予算前提SSSはインバウンドの戻りを織り込んで104.4%で組んでいるため、ハードルが高くなるものの、終わった12月は109.2%で仕上がっています。電気代や人件費の高騰による利益圧迫が大きいものの、都心部構成比が高い当社はそれ以上に売上の戻りが早いため、増額後予算も走破圏とみられます。出退店・改装については、通期で150店の出店(純増100店)を見込んでいます。


当社はマツキヨHDとココカラHDの経営統合で2021年10月に誕生し、中期目標として、統合から4.5年後となる2026年3月期を目途に売上高1.5兆円、営業利益率7.0%(営業利益で414億円→1,125億円)を目指しています。トップラインについてはMAによる外部成長と従来型の都市型出店の継続、利益面は統合シナジーで延べ300億円を目指す計画であり、うち統合初年度で200億円を発現させる計画ですが、足許のところ順調な進捗が確認されます。

 

注力施策は、NB商品の共同仕入れや両社合算で4,800万人を擁する会員向けのデジタル販促とEC売上の拡大および販促コスト削減(EC売上実績:2,470億円)、化粧品を中心としたPB品(構成比11.8%)のココカラ店舗への拡販などとなっています。特に旧マツキヨが得意としてきたPB品は、当上期でYoY108%(構成比12.2%)と順調に伸長しており、足許ではマンダムと提携して専売型化粧品を開発・展開し、他社にはない独自性と採算性を追求しています。

 

また、足許でのインバウンドの回復が顕著なことから、郊外で日本人相手に低採算で食品を販売する他社DgSより、都心集中型で家賃が高い当社店舗は化粧品等の好採算商材のミックスが高いことから、顕著な利益回復が見込まれます。特に薬品需要の高い中国人インバウンドが戻る公算が日に日に高くなっているほか、足許では花粉症特需といった追い風もあることから、当面は強い業績モメンタムが想定されます。なお、ココカラ買収によるのれん代は1,120億円(19年均等償却)のため、営業利益が▲63億円/y、押し下げられています。

 

財務状況についてはココカラ買収後もネット無借金経営を継続しており、自己資本比率も70.4%となお十分な買収余力を残している状況です。進行期の株主還元については、統合記念と周年記念を兼ねて10円増配した年80円配当(配当性向29.6%)を予想しています。

 

*参考記事① 2022-08-10 5,050円 NT

【3088】マツキヨココカラ&カンパニー/統合シナジー発現順調、訪日中国人需要の回復が待たれる。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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