【3543】コメダHD/“ちいかわ”コラボと、9月からのFC卸価格改定で下期巻き返しへ。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【3543】コメダホールディングス(東証プライム) OP

現在値 2,436円/100株  P/E 20.9  P/B 2.89  2月配当株主優待 8月配当株主優待

中京地区を地盤にコメダ珈琲店を全国展開。朝食サービスに特徴。約95%がFC。
配当基準日は2月・8月の年2回・合計52円配当のため、配当利回りは約2.13%となります。

コメダホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、年2回1,000円分のコメカチャージを進呈していますので、配当優待利回りは約2.95%となります。なお、別途議決権行使により年1回500円分のチャージもあります。

 

■2020年2月期 売上高 312億円、営業利益 78.8億円 EPS 117.3円

■2021年2月期 売上高 288億円、営業利益 55.1億円 EPS 77.9円

■2022年2月期 売上高 333億円、営業利益 73.0億円 EPS 107.0円  

■2023年2月期 売上高 370億円、営業利益 80.0億円 EPS 116.1円 ce 

□2022年8月中 売上高 181億円、営業利益 37.5億円 EPS 56.0円(10/12)


2022年8月中間期の売上高はYoY+10.5%の181億円、営業利益はYoY▲1.1%の37.5億円となり、計画比はないものの市場予想線での推移となりました。4月28日から大半のFC店で珈琲1杯あたり約50円前後の値上げに踏み切ったものの、モーニングサービスへのローブパン、トッピングの追加といった付加価値向上施策で客離れを食い止め、既存店売上高(SSS)は104.0%を確保しました。他方、利益面については、FCへの卸価格が未改定なことから横ばい止まりとなっています。出退店は、国内純増9店で総店舗数は965店となり、そのうち海外は純増5店(総店舗数34店)となりました。


なお2023年2月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY+11.1%の370億円、営業利益はYoY+9.5%の80.0億円を見込んでいます。珈琲豆等の原価高騰にともなって9月からFCへの卸価格を値上げしており、(半期寄与となる)計画上のFC卸売上をYoY+5.1%でセットしますが、既に11月迄開示済の月次では計画線での進捗が確認されますが、12月より強力IPである“ちいかわ”コラボを投入しているため、上振れが見込まれます。なお出退店は、通期計画の純増45店に対し、3Q累計で純増19店で進捗しています。


当社は2021年4月に中計を発表しており、2026年2月期までの都合5年間で、店舗数を914店→1,200店、EPSを77.8円→125.4円(CAGR10%)に其々引き上げるほか、最終年度のROIC10%、自己資本比率40%を目指すこととしています。重点戦略として①既存モデルの拡充、②新事業・MAの追求、③財務価値の維持・拡大、の3点が挙げられていますが、このうち最後の③については、表記の各指標の計数目標それ自体が戦略という位置付けとなっていますが、数値感的にはさほど無理のない目標と解されます。

 

①は単純な出店成長戦略が骨子となっており、国内カフェ/喫茶店のTAMは約1~1.2兆円と目されるため、中計計数を鑑みると年間出店ペースは国内40店強・海外10店強、延べ50~60店を出店していく計画とみられます。当社店舗はこれまで中京圏で突出したドミナント展開を行っていたものの、新型肺炎禍の影響を受けにくい郊外店舗の特徴を生かした全国展開を進めるほか、従来の“短時間滞在型(ドトール他)”の代替需要が伸長している都心型店舗も拡大させる計画であり、特に想定以上に好調な新宿圏で集中展開を進めてしています。

 

なお当社は店舗の95%超がFCであり、珈琲やパン等の卸売が本業となります。それにロイヤリティ収入が1.5千円(1席/月)と、一過性ながらFC加盟金収入が加算され、FC1店増店による営業利益感応度は年10百万円弱と推定されます。食材原価は基本的に価格転嫁するほか、水道光熱費も人件費もFC負担のため、一般的な外食業とは異って非常に堅牢度の高いビジネスモデルですが、反面FCオーナーが出店に慎重になった場合は成長が鈍化するため、二次的に影響を受けることとなります。

 

財務面については、目下の自己資本比率は40.0%となっています。当社はファンド転売案件(アドバンテッジ→MBKパートナーズ)であり、転売絡みの自己創設のれんが383億円分B/Sに横たわっており、仮にこの減損を仮に▲100億円認識する必要が生じてしまった場合、自己資本比率が突如3割強まで急低下するリスクがあることには留意が必要です。

 

*参考記事① 2022-07-11  2,324円 OP

【3543】コメダホールディングス/4月からほぼ全店で値上げ、FC卸売売上は遅れて寄与。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ