【3694】オプティム/MDM(端末一括管理)着実増で、産業向け派生活用の拡大が進む。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3694】オプティム (東証プライム)  OP

現在値 888円/100株  P/E 51.6  P/B 9.3  3月無配 株主優待なし 

スマホなど端末の一括管理サービスをクラウドで提供。遠隔サポートも展開。特許豊富。

 

配当基準日は3月末ですが支払実績はなく、今期予想配当も未定となっています。
オプティムは株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 67.2億円、営業利益 2.5億円 EPS 2.1円 
■2021年3月期 売上高 75.1億円、営業利益 18.0億円 EPS 22.5円 
■2022年3月期 売上高 83.1億円、営業利益 15.3億円 EPS 17.1円 
■2023年3月期 売上高 91.4億円、営業利益 16.9億円 EPS 17.2円 ce
□2022年6月1Q 売上高 19.4億円、営業利益 1.9億円 EPS 1.2円(8/12)

□2022年9月2Q 売上高 40.0億円、営業利益 6.5億円 EPS 6.7円 四e

2022年3月期の売上高はYoY+10.5%の83.1億円、営業利益はYoY▲15.2%の15.3億円となり、売上高は予算レンジの下限、営業利益は同中央での着地となりました。顧客のDX投資意欲が堅調に推移しており、主力の“Optimal Biz”を中心にMDMのライセンス数の積み上げが進んだほか、“Optim Cloud IoT OS ”や派生するAI関連のストック・フロー収入も着実増となりました。尚、2桁増収の一方で減益となったのは、人材投資の継続や、次世代商品開発のR&D費用の積み増しに由ります。


進行期の2023年3月期の予算については、売上高がYoY+10.0%の91.4億円、営業利益がYoY+10.1%の16.9億円を見込んでいます。DX潮流の進展とモバイル端末の趨勢増により、“Optimal Biz”のライセンスの増加基調の継続とストック売上高の拡大が予想される一方、医療・建設領域を中心に派生DX関連のフロー(カスタム)収入の増加も見込まれます。利益については、“増収幅成り”に留まるものの、引き続き成長領域へのR&D費投入を積極化します。


当社は中長期的な経営計画値を開示していないものの、2020年頃を節目に投資先行フェーズ→収益獲得フェーズへと移行する旨アナウンスしており、実際に毎期数億円水準だった営業利益は、十数億円水準まで急伸させています。然しながら、一定の利益水準まで切り上がった今後についても、利益の積み増しよりも積極投資を志向しており、人材獲得やR&Dにリソースを投じるため、トップライン成長比で利益成長が鈍くなる見通しです(巡行ベースの営業利益率は2割前後)。

 

これは、新型肺炎禍でのリモートワークニーズの増加等により、IoT機器の出荷が増えており、世界では450億台規模のIoT機器の稼働が目されることから、まだまだシェア獲得余地が鴻大に残されていることが一因です。主力の端末一括管理「Optimal Biz」の平均単価が300円であることから全世界のTAMは160兆円と試算され、国内市場の4割を握る当社の推定TAMは3.6兆円と試算されることから、まだまだ単純開拓余地があります。また、IoTクラウド型OS分野についても業界標準を握るべく、拡張機能の研究強化を進めており、これらの理由によりまた投資先行となります。

 

端末管理から派生させた産業応用で最も進んでいるのが、コマツやNTTドコモ、SAPとの合弁のランドログ社であり、ショベルカーやダンプカーの活動データを解析し、建設現場の工期・人工最適化を推進しています。実際に既存の油圧ショベルに後付けでIoT化出来るパッケージを外販する販社を立ち上げるなど、顕著な進展がみられます。また、農業分野では2021年に当社第2位株主であるNTT東日本(5.8%)らとNTT e-Drone Technologyを立ち上げ、農薬の適所・適量散布を行うドローンの開発・販売を進めている状況です。

 

かような取組状況から、ベースとなる端末管理でストック収入(構成比7割)を積み上げる一方、新規の派生分野ではカスタマイズなどフロー収入(構成比3割)を稼ぐとともに、業容拡大を図り、よりバランスの取れた成長段階に入ろうとしています。財務面については、ソフトウェアの増加により無形固定資産割合を増やしているものの、自己資本比率は7割程を確保しています。なお、手元現金は10億円程しかないため、配当実施はまだ先とみられます。

 

*参考記事① 2018-09-06  1,125円*分割遡及修正株価 NT 

毛並みの良さ活かし、第4次産業革命の中心銘柄へ・オプティム(3694)。

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