【4745】東京個別指導学院/新規伸び悩みもスポット講習売上増で盛り返す、回復基調が続く。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4745】東京個別指導学院(東証1部) OP

現在値 622円/100株  P/E 20.2  P/B 3.93  2月配当株主優待 8月配当 

ベネッセHD傘下。小中高生向け個別指導塾を直営で首都圏軸に展開。文章、科学教室も。
配当基準日は2月・8月の年2回・合計26円配当のため、配当利回りは約4.18%となります。

東京個別指導学院は株主優待制度を実施しており、2月末の単元株主に対して、1,500円分のカタログギフトを進呈していますので、配当優待利回りは約6.59%となります。

業績は下記の通りとなっております。

■2019年2月期 売上高 203億円、営業利益 27.9億円 EPS 35.6円 

■2020年2月期 売上高 212億円、営業利益 28.8億円 EPS 34.9円

■2021年2月期 売上高 191億円、営業利益  6.1億円 EPS 5.5円

■2022年2月期 売上高 224億円、営業利益 23.9億円 EPS 29.0円  

■2023年2月期 売上高 238億円、営業利益 26.3億円 EPS 31.0円 ce 

□2022年8月中 売上高 115億円、営業利益 7.0億円 EPS 8.3円 四e


2022年2月期の売上高はYoY+17.5%の224億円、営業利益はYoY4倍の23.9億円となり、期初予想を上回って大幅な増収増益となりました。断続的な感染拡大の深刻化影響もあり、新規入会者数が落ち込んだ一方、期中平均生徒数は平常時水準である33,309人まで回復したほか、顧客(保護者)の学習不安感の高まりにより、退会率が低下し、一過性の講習売上が増加しました。利益面については、オンライン対応に伴うインフラ整備費用や講師人件費の増加をトップライン伸長で飲み込んでいます。なお、新規開校については6教室を開校し全266教室となりました。


進行期である2023年2月期の通期予算については、売上高はYoY+6.1%の238億円、営業利益はYoY+9.8%の26.2億円を見込んでいます。新型肺炎禍の一巡で新規顧客回復を見込むほか、新規顧客の主な入口となっていた比較サイトからの流入が減少(閲覧数低下)していることから、営業手法の見直しを図ります。利益面については、好採算の高校生の増加もあり、増加傾向にあるシステム償却負担をこなして2桁の増益を確保します。なお新規開校については、周辺人口が多く立ち上がりの早い東京圏を中心に6~8教室程度を想定しています。


当社は2020年10月に3年中計を公表しており、3年後の2024年2月期に売上高257億円(CAGR10%)、営業利益31.0億円(約5倍)を目標とし、最高益更新を目指します。重点戦略は①講師育成の強化、②ICT活用の2本柱となっており、①は“TEACHER'S SUMMIT”と呼ばれる講師総会の充実により、インセンティヴを強化するほか、講師定着とナレッジの共有を図ります。②は開校済エリアの非顧客層の取り込みを図る計画であり、対面・非対面のハイブリッド授業以外に、完全オンラインなどのメニュー拡充を進めます。

 

会社側アナウンスによれば、現状の中計進捗は“インライン”としているものの、計算上は年20室ペースの新規開校が必要となり、足許の開校数が年6~8校であることを踏まえると、スポットの講習売上が余程積み上がるでもしない限り、未達公算が高い状況です。会社側では中計期間を含む5年間で30億円のICT投資を実行し、オンライン併用型だけでなく、完全オンライン化も進め、それにより教室基盤が手薄な関西(特に九州)での新規顧客獲得を図る方針です。

 

財務の状況については、期末時点の自己資本比率は67.8%、手元現金は71億円と盤石な状態が続いています。そのため、この好財務(非現金支出であるシステム等の減価償却費▲3億円)を背景に、年間配当金は予想ベースで還元性向100%に迫る年26円の維持を予定しています。他方、今後も高水準のICT投資の発生も予想されることから、グループ価値最適化の観点から、親会社であるベネッセHDによる完全子会社化の可能性についても引き続き投資論点のひとつになろうかと考えます。

 

*参考記事① 2021-06-12 614円 OP

【4745】東京個別指導学院/財務盤石だがICT投資30億円重い、ベネッセの動向に注目。

 

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