【8908】毎日コムネット(東証一部) OP
現在値 710円/1株 P/E 12.4 P/B 1.32 5月配当株主優待 11月配当
学生マンションを地主に提案、一括借り受けるサブリースが柱。新卒採用支援も。
配当金は5月末・11月末の年2回の合計28円のため、配当利回りは約3.94%となります。
毎日コムは株主優待制度を導入しており、5月末時点の単元株主に対して、ベネフィット・ステーションの年間会員資格を付与しております。
業績を確認していきます。
■2018年5月期 売上高 168億円、経常利益 16.7億円 EPS 60.4円
■2019年5月期 売上高 174億円、経常利益 19.2億円 EPS 69.5円
■2020年5月期 売上高 179億円、経常利益 21.7億円 EPS 66.7円
■2021年5月期 売上高 170億円、経常利益 14.6億円 EPS 52.9円
■2022年5月期 売上高 181億円、経常利益 15.5億円 EPS 57.2円 ce
□2021年11月2Q 売上高 75.4億円、経常利益 2.7億円 EPS 10.4円(1/12)
2021年11月中間期の売上高はYoY+3.7%増の75.4億円、経常利益はYoY+176.2%増の2.7億円となり、売上は計画並み、利益は上振れとなりました。柱の不動産事業については、開発部門における売却は小型物件1棟のみとなったものの想定超の利幅を確保したほか、管理部門も期初時点で16年連続で入居率100%(賃料保証ありサブリース、自社保有物件に限る)での滑り出しとなったため、増収増益となりました。学生生活事業については、売上の半分を占める夏季において旅行等の課外活動分野が引き続き低調に推移したものの、前年ハードルが低かったため若干持ち直しました。
なお2022年5月期の通期見通しについては、売上高がYoY+6.4%増の181.0億円、経常利益はYoY+5.8%増の15.5億円を予想しています。不動産事業については、新規8棟の開業により管理戸数は純増474戸の11,432戸まで積み増すとともに、物件売却は下期に追加で1物件計上する予定(既に契約済)となっています。他方、学生生活事業については、夏場に次ぐ稼ぎ時の春先の合宿旅行等も不発に終わったとみられるものの、採用活動支援部門に関しては新型肺炎禍一巡後の新卒採用数の反動増による持ち直しも見込まれることから、全社では概ね計画線を確保する公算が高そうです。
当社は現状中期経営計画を公表しておらず、2020年5月期を最終年度としていた従前の3年中計で売上高148→180億円(CAGR7%)、経常利益は15.5→20.0億円(CAGR9%)目標を掲げていましたが、概ね達成させています。収益ドライバーは開発部門であり、通常の一般的な賃貸マンションの高騰により十分な利回りを確保出来なくなった大手ディベロッパーやファンドからの学生マンションニーズの高まりの恩恵を受け、業容を拡大させてきました。ここ数年は地盤の関東圏だけでなく、関西圏にも積極展開するようになったものの、足許の授業オンライン化潮流の進展により学生の居住動向に不透明さもあることから、自社ブックでの仕入れはやや慎重になっている印象です。
本来であれば今期は中計の二次期間として、経常利益30.0億円を目指す筈でしたが、かような背景から公表を見送っているものとみられます。なお定性的な取組については、①開発分野の加速(新規+5,000戸)、②地域仲介業者との連携、③開発出口強化、④人材分野拡大(売上高50億円)、⑤新事業開始、などが挙げられています。会社側ではゼミ・サークルの合宿や卒業旅行等の手配事業をOTA化させて「旅行事業化」させていくほか、就活関連支援事業も日経新聞や毎日新聞等のメディアとの提携を進めて独自性を強化し、学生マンション開発一本足打法からの脱却を図ります。
なお株主還元については、配当性向35%を基準としており、年28円配の据置を予想しています。足許ベースの自己資本比率も38.4%と良好な水準を維持していることから、開発部門の用地仕入れ用の資金需要はあるものの、仮にこの株主還元水準を続けたとしても、エクイティファイナンス等は回避できるものと考えています。
*参考記事① 2020-10-21 719円 OP
【8908】毎日コムネット/大学授業動向に不透明さ残るが、仕入れ好機との見方も。
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