【2882】イートアンドホールディングス/冷凍餃子の量産化が奏功、住宅街出店の外食も復調が顕著。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2882】イートアンドホールディングス(東証1部)  OP


現在値  2,117円/100株  P/E 55.1  P/B 2.92  2月優待 8月優待

外食チェーンと冷凍食品製造の2軸。いずれも「大阪王将」ブランドが柱。
配当基準日は2月、8月の年2回合計10円のため、配当利回りは0.47%となります。

イートアンドホールディングスは株主優待として、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対して合計5,000円相当の食事券、自社製品等を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.83%となります。

業績を確認していきます。  

■2018年3月期 売上高 281億円、営業利益 7.7億円、EPS 24.3円   

■2019年3月期 売上高 291億円、営業利益 8.3億円、EPS 34.6円   

■2020年3月期 売上高 306億円、営業利益 8.1億円、EPS 33.6円 

■2021年2月変 売上高 259億円、営業利益 2.6億円、EPS▲19.9円(4/13) 11m

■2022年2月期 売上高 317億円、営業利益 8.0億円、EPS 38.4円 ce  
□2021年8月中 売上高 147億円、営業利益 3.7億円、EPS 29.4円  

2021年8月中間期の売上高は前年同期比9.1%増の147億円、営業利益は同9.5倍の3.7億円となり期初予想を若干上振れました。冷食事業については、“巣ごもり”の長期化で中食・内食傾向が継続し、大阪王将銘の「羽根つき肉餃子」が月間50万パックを売り上げるなど好調に推移しました。外食事業については、賃料負担率の高い繁華街立地店舗を中心に不採算店の整理を進める一方、住宅立地店舗のウエイトの拡大や、持ち帰り・宅配の強化を図った結果、赤字幅が大幅に縮小しました。

 

12ヶ月決算に復帰する2022年2月期の通期見通しについては、売上高は前期比58億円増の317億円、営業利益は5.4億円増の8.0億円の期初予想を据え置いています。主力の冷食事業は、「羽根つき肉餃子」の好調継続が見込まれ、年初に製造ラインを増強した渡良瀬の関東第二工場の生産能力拡大が奏功する格好で好伸が見込まれます。また外食事業についても、住宅後背地を中心に純増30店と出店ピッチ加速させるほか、阿佐ヶ谷に新設したセントラルキッチンの活用により家賃や人件費の高い都心店舗の高効率化を図ります。全社的には冷食事業の好調と、外食事業の復調のほか、原価率の改善が顕著なことから、会社予算は走破圏とみられます。

 

当社は中長期的な業績目標を開示していないものの、当面は冷食事業を核としたオーガニックな成長を企図しています。4.6億円を投じた関東第二工場の増強が年初に完了し、生産能力は130万→280万パックに増加し、全社ベースでの生産量は直近8年で年10%強のペースで順調に成長しています。また6月にはAIやロボットを活用した関東第三工場(事業費24億円)の着工を公表しており、単なる量産化だけでなくOEM調達の“引き上げ”と内製化による採算性向上を図ります。また、マス広告の費用対効果が見込まれることから、香里奈氏を起用した新CMを9月に投入したほか、SNSやタイアップ番組に積極的な広告費投入を進めます。

 

外食事業については、大阪で20%台、東京圏で10%台だった持ち帰り比率が5割を超えていることから、それを前提とした出店を進めています。最寄駅乗降客数2~3万人の住宅地であっても、外食並の持ち帰り単価をこなせる世田谷周辺エリアの商店街から出店を進めており、既出店の尾山台、祖師谷大蔵、用賀、浜田山が好調に推移していることから、直近では武蔵野市や練馬区の駅前に出店を進めています。武蔵野は地元老舗店の“栄楽”の屋号やメニューを継承した街中華風の店舗として差別化を図るほか、名古屋では地場外食大手のジェイグループとFC契約を締結し、中京圏での出店加速を図ります。

 

財務については、2018年に関東工場新設のために公募増資で23億円を調達しているほか、新型肺炎禍においても好調な冷食事業が外食事業をカバーする格好で最終黒字を確保したため、自己資本比率も3割台半ばをキープしています。配当については横ばいの年10円を予想していますが、引き続き設備投資への資金需要が想定されることから、当面はこの安定配当基調の継続が予想されます。

 

*参考記事① 2021-06-28 0 1,903円 NT

【2882】イートアンドホールディングス/渡良瀬の第三工場建設で冷食事業は更に厚み。

 

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