【3295】ヒューリックリート投資法人/年内2度目のPOで大型シニアを組入、安定感増す。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3295】ヒューリックリート投資法人(東証REIT) NT


現在値 169,800円/1株  P/E 22.6  P/NAV 0.96  2月分配 8月分配

ヒューリックをスポンサーとする総合型J-REIT。東京圏のオフィスと商業施設が主体。

予想分配金は2月末・8月末の年2回合計7,300円配で、分配金利回りは約4.29%となります。

業績を確認していきます。

■2020年8月期_第13期 営業収益 105.9億円、経常利益 50.8億円 DPU 3,876円

■2021年2月期_第14期 営業収益 111.7億円、経常利益 55.1億円 DPU 4,052円

■2021年8月期_第15期 営業収益 105.0億円、経常利益 50.5億円 DPU 3,698円(10/14)

□2022年2月期_第16期 営業収益 109.1億円、経常利益 52.8億円 DPU 3,600円ce修正

□2022年8月期_第17期 営業収益 111.9億円、経常利益 54.5億円 DPU 3,700円ce修正

 

2021年8月期_第15期の営業収益は第14期比6.0%減の105.0億円、経常利益は同8.4%減の50.5億円と計画をやや上回って着地した一方、分配金は同502円減の3,550円と計画通りとなりました。3月末に取得した上野(90%)と調布シニアが寄与したほか、オーキッドスクエア(50%)と、シーズンテラスの少数持分を譲渡したものの、売却益が同半減となった影響が大きく減益となりました。既存物件については、期中平均稼働率は予算98.7%に対し、実績97.8%だったものの、バッファ吐き出しで埋めたとみられます。他方、4月にPOを実施(※後述)したことによる希薄化や、元より有税で内部留保する方針だったものの、更に分配原資を潰して積み増し額を増やしています。

 

2022年2月期_第16期の見通しも修正しており、営業収益が第15期比3.9%増の109.1億円、経常利益は同4.5%増の52.8億円、分配金は同50円増の3,550円に増額しています。これは10月ローンチの8th_PO(※後述)が一部寄与するほか、上野と調布シニアの通期貢献、及び今般発表された新宿三丁目(50%、7億円)の売却による増益効果により、第15期に譲渡したオーキッドスクエアと品川シーズンテラスの賃収通期剥落やオーキッドスクエアの売却益剥落(▲2億円)、期中POによる希薄化影響を全て飲み込んで、従来見通しとの比較では実に150円の増配という出来上がりとなる見通しです。

 

なお、今般開示された2022年8月期_第17期については、営業収益が前期比2.5%増の111.9億円、経常利益は同3.4%増の54.5億円で着地し、分配金は同100円増の3,700円を予想しています。これは2021年取得物件の固都税費用化開始が始まる一方、前述の8thPOの取得物件の通期貢献を開始により希薄化によるマイナス効果が平準化されるほか、新宿三丁目(残り50%、7億円)の売却により収益が底上げされることにより増配予想となります。

 

当法人は本年10月に年内2度目となるPOを実施しており、約143億円(@164,538円)を調達しています。合計4物件を334億円で取得しており、麹町(126億円/鑑定NOI3.4%)、吉祥寺(51.5億円/鑑定NOI5.1%)、神戸(67.1億円/鑑定NOI4.6%)といったオフィスビル3棟を軸に、大型のシニアである成城(90億円/鑑定NOI4.2%)を次世代アセットとして組み入れしてます。他方、LTVは44.6%と取組以前通りの水準に留まっているほか、巡行分配金が有意に上昇するというわけではないものの、シニアの組入れ比率上昇により、安定感は大きく上昇したものと考えています。

 

現状の4%強の分配金水準については、コンスタントな売却による益出しによって底上げされた水準であり、現状の利回りの実力値は3%台後半とみられます。一方、有税で進めている内部留保については、予想が開示されている第17期までに4.3億円まで溜まる見通しであり、分配金に均して300円程度ではあるものの、POとの組み合わせで有効活用されることを期待したいと思います。

 

*参考記事① 2021-07-01  186,900円 NT

【3295】ヒューリックリート投資法人/財務良化目的にNAV割れPO実施も、物件入替は進む。

 

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