【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー(マザーズ) NT
現在値 1,603円/100株 P/E 17.2 P/B 1.24 12月配当優待 6月優待
航空機リースが柱。航空機エンジン売却・旅客機から貨物機への改造、太陽光発電商品も。
配当は6月末・12月末の年2回・合計32円のため、配当利回りは約2.00%となります。
ジャパンインベストメントアドバイザーは株主優待を導入しており、12月末に単元株を保有する株主に対して、1,000円分のクオカードと日本証券新聞のデジタル版購読券9,000円分を進呈しておりますので、クオカード分だけを計算した場合の配当優待利回りは約2.62%となります。なお、1年超保有・2年超保有で更に優遇があり、クオカードについては進呈額が各3,000円分・5,000円分となるため、その場合の同利回りについてはそれぞれ約3.86%・約5.11%となります。
業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 85億円、最終利益 27.2億円、EPS 107.1円
■2018年12月期 売上高 152億円、最終利益 51.4億円、EPS 180.0円
■2019年12月期 売上高 166億円、最終利益 45.5億円、EPS 153.1円
■2020年12月期 売上高 177億円、最終利益 38.3億円、EPS 128.1円
■2021年12月期 売上高 130億円、最終利益 28.0億円、EPS 93.6円 ce
□2021年3月1Q 売上高 37.3億円、最終利益 13.7億円、EPS 45.5円(4/30)
□2021年6月2Q 売上高 55.2億円、最終利益 13.3億円、EPS 44.4円 ce
2020年12月期の売上高は前期比6.4%増の177億円、最終利益は同15.9%減の38.3億円となり、トップラインこそ成長を維持したものの、減額修正予算にも届かず2桁減益での着地となりました。主力の航空機オペリース事業については、新型肺炎禍による航空会社の需要減少により組成高は前期の3分の1以下の950億円に留まった一方、投資家側の税金繰延ニーズは根強く、前期からの期ズレ案件を含めた販売高は同3分の2以上の694億円を確保しました。また、期間満了機体の延長や売却等による手数料収入があったことも増収に寄与しています。一方、利益面については、販売高の減少や環境エネルギー事業の物件売却を見送って自社保有に切り替えたため減益となっています。
進行期である2021年12月期の予算については、売上高が26.6%減の130億円、最終利益は26.9%減少となる28.0億円を計画しています。主力の航空機オペリース事業については、新型肺炎禍のあおりを受け、実績期における組成案件の積上げが進んでおらず、期初の商品出資金残高は284億円程に留まっていることから、トップライン段階から大きく後退する見通しです。そのため、業績よりは事業基盤の整備に充てる計画であり、航空機に偏重していた商品構成を海上輸送コンテナに振るなど、バランスを考慮した商品構成を目指す方針です。なお、業績予想の前提については、新型肺炎禍による影響はワクチンの普及により徐々に回復することを前提としており、去る4月30日に公表済の1Qについては高進捗が確認されるものの、予断を許さない状況です。
当社は世界経済の成長とそれに伴う航空機期待需要の増加、および堅調な企業業績とそれに伴う税金繰延ニーズの高まりを背景に、POを繰り返すことで資金調達し、高成長を遂げてきました。中長期的な成長目標として「最終利益CAGR50%/年」を掲げてきましたが、新型肺炎禍では航空機商品の組成自体が難しく、同目標値を「最終利益CAGR2桁/年」までトーンダウンさせています。そのため、遅まきながら非航空機商品であるコンテナや船舶、再エネ(太陽光)にシフトさせる方針であり、特に再エネに関しては販売タイミングを見計らうために当面はブックで保有し、売電収入による業績下支えを図ります。
財務面に関しては、2018年6月に上場来3度目となるPOを実施しており、約140億円(@5,558円)もの巨額調達済ませています。資金使途は、太陽光やバイオマスといった再エネ関連投資に20億円、退役航空機の部品バラ売りであるパーツアウト・コンバージョン事業の強化に30億円、残額を航空機匿名出資金の待機資金に充当することとしていましたが、結果的にこの3rd_POによる財務増強が新型肺炎禍での当社の“泳ぎ幅”を確保する上で奏功しており、足許ベースの自己資本比率は35%弱を確保出来ています。
なお、株主還元については据置となる年32円配当を予想しています(配当性向は34.3%)。本来的には中期的な配当性向のメドを20%としていますが、財務状況との兼ね合いをみながらの業績連動配当としているため、ここまでの還元水準がキープ出来る模様です。
*参考記事① 2020-04-16 672円 OP
【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー/まずは“上期偏重”の仕上がり具合を確認したい
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