【2375】ギグワークス/リモートワーク設定や5G、シェアオフィス需要強く、今期も増勢基調。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2375】ギグワークス(東証二部) NT

現在値 3,360円/100株 P/E32.3  P/B5.90  10月配当株主優待 4月株主優待

IT軸の営業支援、PC等機器導入、工事・運用等の受託・派遣が柱。コールセンターも。
配当金は10月末一括の24円配当のため、配当利回りは約0.71%となります。

 

ギグワークスは株主優待制度を導入しており、4月末・10月末に単元株を保有する株主に対して、1,000円相当のこども商品券(ないしビットコイン)を進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.30%となります。

業績を確認していきます。 
■2017年10月期 売上高 134億円、営業利益 3.8億円 EPS 32.7円

■2018年10月期 売上高 160億円、営業利益 5.8億円 EPS 46.7円 

■2019年10月期 売上高 175億円、営業利益 7.8億円 EPS 67.3円 

■2020年10月期 売上高 197億円、営業利益 10.0億円 EPS 97.9円 

■2021年10月期 売上高 240億円、営業利益 12.0億円 EPS 103.9円 ce

□2021年4月2Q 売上高 130億円、営業利益 8.5億円 EPS 74.2円 ce


2020年10月期の売上高は前期比12.4%増の197億円、営業利益は同27.8%増の10.0億円となり、予算も上回って着地しました。主力のオンデマ事業については、Windows7のサポート終了によるリプレイス関連需要が後退したものの、新型肺炎の影響でのテレワーク運用に絡むヘルプデスク業務の需要が高まっており、BPO方式でのコンタクトセンターの需要が急伸しました。シェアエコノミー事業については、新型肺炎禍で会員会社数の拡大ピッチは鈍化(期末4,322社→2Q期末4,800社)したほか、大型施設の開業もあり、稼働率も90%を切る水準まで若干後退しました。それでも定期会員以外のスポット利用が大幅に増加したこともあり、当該セグも増収増益を果たしています。


2021年10月期の通期予算については、売上高が21.4%増の240億円、営業利益は同19.7%増の12.0億円を予想しています。オンデマ事業については、新型肺炎禍の長期化にともないテレワーク運用やリモート設定に絡む顧客需要は一層加速するとみられるほか、“商品”となる労働力についても企業の副業や兼業の容認風潮の高まりや、失業等の増加により順調な増加が期待されます。一方、シェアエコノミー事業については、藤田観光との協業による新宿・有明ワシントンホテルや、北大阪1,400坪といった前期開業の大型施設の巡航稼働入りにより、続伸が見込まれます。

 

当社はPC教育やトラブル解消などのPCサポート業務を祖業としてきましたが、幅広いスポット系BPO業務を請け負っているほか、現在は“クラウドソーシング”と呼ばれるシェアリング・エコノミーの一分野に注力しており、ランサーズ(4484)やクラウドワークス(3900)と競合するドメインを強化しています。これら大手2社と比べると当社会員数は見劣りするものの、当社は専門性の高い通信・PC周りの業務を得意としており、ブティック型としての強みを有しています。また15年以上前から上場しているため信頼度が高く、既に大手通信会社の顧客基盤も抱えていることから、5Gアンテナの設置に関し、場所の選定から図面準備まで代行出来るため、年成長率20%ともみられるクラウドソーシング市場なりかそれ以上の成長が十分に可能とみています。

 

シェアエコノミー事業におけるシェアオフィスも拡大(店舗数59店、会員数4,800社)していますが、こちらはWeWorkをはじめ、大手ディベロッパーや鉄道事業者、ネットカフェ事業者から、TKP(3479)といった中小型規模のシェアオフィスまであらゆる事業者が参入して急速にレッドオーシャン化しているのが割引要素です。そのため、当社は既提携先の藤田観光と組み、同社ホテル15拠点を含む70ヵ所の施設がどこでも利用可能な法人向け多拠点型の「SmartOffice」というサービスを月額2万円という低廉な料金で開始しており、企業のBCP・多拠点化ニーズの取込を狙います。特にワシントンホテル(グレイスリー含む)の客室が利用できる点は他と比べても画期的であり、差別化可能であるとみています。

 

なお、株主還元については、今期も5期連続の増配となる24円配(+2円増配)を予定していることにくわえ、2018年10月期からは株主優待制度を導入しています。この優待については、東証一部指定替えを目的とした、株主数の確保が真の目的となっており、本年3月末には1対3の株式分割を予定しているものの、進呈基準は据え置かれるため実質的に拡充となっています。既に形式要件は全て成就しているものとみられるため、あとは指定変更の承認待ちとなります。

 

*参考記事① 2020-10-07 2,275円 NT

【2375】ギグワークス/期末大型案件計上予定で低進捗気になるが、シェアオフィスは出店好機。

 

*参考記事② 2020-03-13 854円 OP

【2375】ギグワークス/クラウドソーシングは労働力の確保進み、5G関連受注も順調。

 

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