【3969】エイトレッド/従来型パッケージ品が想定超の引き合い、事業環境の良好さ際立つ。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_0765.jpg

【3969】エイトレッド(東証一部) NT

現在値 2,740円/100株  P/E46.9  P/B7.11  3月配当 9月株主優待 

ワークフローソフト専業。「X-point」「AgileWorks」主力にクラウドも提供。
配当は年2回・合計20円配当のため、配当利回りは約0.73%となります。

エイトレッドは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の単元株主に対して、1,000円分のクオカードを年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.46%となります。

業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 9.6億円、経常利益 2.7億円、EPS 30.9円 

■2018年3月期 売上高 11.0億円、経常利益 3.2億円、EPS 33.4円 

■2019年3月期 売上高 14.4億円、経常利益 4.8億円、EPS 45.5円 

■2020年3月期 売上高 16.2億円、経常利益 5.8億円、EPS 55.2円 

■2021年3月期 売上高 17.9億円、経常利益 6.5億円、EPS 58.3円 ce

□2020年9月2Q 売上高 8.7億円、経常利益 3.3億円、EPS 30.2円  
□2020年12月3Q 売上高 13.3億円、経常利益 5.0億円、EPS 45.1円(1/21)


2020年9月中間期の売上高は前年同期比11.5%増の8.7億円、経常利益は同25.6%増の3.3億円となり、期初予算を上回るとともに2桁幅の増収増益を確保しました。主力のパッケージ品は、新型肺炎禍の在宅勤務の浸透により、大手企業向けの「AgileWorks」の導入企業数が続伸しました。一方、中堅企業向けの「X-point」については、クラウド品の「X-point cloud」への移行にともない減少したものの、同クラウド品については無料トライアルの実施により導入企業数が積み上がり、3割の伸びを示しました。


2021年3月期の通期予算については期初段階から開示しており、売上高が前期比10.3%増の17.9億円、経常利益は同10.5%増の6.5億円を引き続き予想しています。”働き方改革”風潮にくわえ、足許の新型肺炎禍でテレワークや在宅勤務への移行が不可逆の流れとなっており、ワークフロー事業の趨勢増が期待されます。上述のとおり、「X-point」がクラウド移行のため減少を見込んでいるものの、中堅企業のクラウド移行への意欲が想定超に強い状況のため穴埋め可能とみます。また主力品の「AgileWorks」が引き続き堅調のため、そちらが牽引するものと考えます。なお、1月21日に開示済の3Qによれば、売上高は前年同期比13.7%増の13.3億円、経常利益は同26.7%増の5.0億円で進捗しているため、通期では小幅上振れ着地が想定されます。

 

当社は2016年12月にマザーズ市場に上場し、中長期の経営計画は非開示であるものの、本邦ワークフロー市場自体が年10%超伸長しているため、業界首位級(総合2位、クラウド型1位)である当社も当面は年2桁成長が可能と解されます。当社製品は中小企業から大企業までカバーしていることにくわえ、親会社であるソフトクリエイトHD(3371)の創業一族である林宗治氏が会長に就いているほか、2位株主としてSCSK(9719)も資本参加しているため、手厚い販路が確保された状態となっており、販売パートナーとしての実際の主要取引先もダイワボウ情報、リコー、日立システムズといった大手SIerのネームが並んでいます。また、兄弟会社であるソフトクリエイト(事業会社)はセキュリティ関連のパッケージを開発・販売しているため、同社の業容拡大による併売可能性が伸びシロとなります。

 

従来品の「AgileWorks」はクラウドではないものの、在宅勤務定着によるペーパレスの流れから大企業での導入ニーズが改めて高くなってきており、RPAと絡めた拡張ニーズも高くなっています。本来的には大企業もクラウド移行意欲が高いはずですが、準備が間に合わなかったためパッケージ品を選好しているとみられます。「同製品はMicrosoft「Share Point」、サイボウズ「Garoon」、ネオジャパン「desknet’s NEO」といった主要なグループウェアに対応しており、ガジェット方式で表示して簡単に連携出来ることから、他に対応すべき業務が山ほどある新型肺炎禍においてはそういった導入の手軽さも、顧客企業の総務部門に評価されたとものと思われます。

 

なお株主還元については、配当性向30%を基準に今期は4円増配となる20円を見込んでいますが、当社は無借金であり現金を約30億円積み上げている好財務企業であるため、今後は配当性向の引き上げなどより、一層踏み込んだ株主還元がなされていくものと考えています。

 

*参考記事① 2020-03-05 1,278円 NT

【3969】エイトレッド/足許やや減速だが、大企業向け従来品の再加速に期待。

 

*参考記事② 2018-08-23 1,369円 NT

親会社や提携先のネーム強力で、盤石の年率2桁成長続く・エイトレッド(3969)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ