【2375】ギグワークス(東証二部) NT
現在値 2,275円/100株 PER27.7 PBR4.38 10月配当株主優待 4月株主優待
IT軸の営業支援、PC等機器導入、工事・運用等の受託・派遣が柱。コールセンターも。
配当金は10月末一括の18円配当のため、配当利回りは約0.79%となります。
ギグワークスは株主優待制度を導入しており、4月末・10月末に単元株を保有する株主に対して、1,000円相当のこども商品券(ないしビットコイン)を進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.67%となります。
業績を確認していきます。
■2016年10月期 売上高 114億円、営業利益 2.6億円 EPS 26.6円
■2017年10月期 売上高 134億円、営業利益 3.8億円 EPS 32.7円
■2018年10月期 売上高 160億円、営業利益 5.8億円 EPS 46.7円
■2019年10月期 売上高 175億円、営業利益 7.8億円 EPS 67.3円
■2020年10月期 売上高 190億円、営業利益 9.0億円 EPS 82.3円 ce
□2020年4月2Q 売上高 91億円、営業利益 4.4億円 EPS 40.4円
□2020年7月3Q 売上高 134億円、営業利益 4.9億円 EPS 37.4円(9/10)
2020年4月期の売上高は前年同期比6.7%増の91億円、営業利益は同0.1%増の4.4億円となり、ほぼ期初予想水準での着地となりました。主力のBPO事業については、家電量販店販売員や顧客常駐型のIT技術者派遣が新型肺炎の影響で減少した一方、コールセンターによるEC支援やITサポート業務等の需要が底堅く推移しました。また、シェアオフィス事業における拠点数は純増1の59まで増加させたものの、新型肺炎禍で会員会社数の拡大ピッチは鈍化(期末4,322社→2Q期末4,551社)したほか、稼働率も90%丁度の水準までやや後退しました。それでも定期会員以外のスポット利用が増加したこともあり、想定よりは稼働率が落ちなかったものとみられます。
2020年10月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が前期比8.0%増の190億円、営業利益は同14.8%増の9.0億円を予想しています。BPO事業については、折からの「働き方改革」の浸透にともなう副業や兼業の容認加速や、新型肺炎禍にともなう失業等の増加により“商品”となる労働力は膨らんでいるものの、顧客信頼度を確保するために会社側では新規ユーザーを絞って既に実績のあるワーカーへのリピートに寄せているため、会員数の増加は緩やかになっています。一方、シェアオフィス事業については、稼働率がやや低下しているものの、スポット利用拡大により概ね89%を確保しています。なお9月10日に開示済の3Qについては、売上高が前年同期比2.7%増、営業利益は同19.3%減と低進捗となっていますが、会社側は大型案件の取り込みにより予算達成に自信を見せています。
当社はPC教育やトラブル解消などのPCサポート業務を祖業としてきましたが、幅広いスポット系BPO業務を請け負っているほか、足許においては“クラウドソーシング”と呼ばれるシェアリング・エコノミーの一分野にフォーカスしており、ランサーズ(4484)やクラウドワークス(3900)と競合するドメインを強化しています。先行するこれら大手2社と比べると当社会員数は大きく見劣りするものの、相対的に専門性の高い通信・PC周りの業務を得意としており、ブティック型としての強みを有するほか、15年以上前から上場しているため信頼度が高く、既に大手法人の顧客基盤も抱えているほか、5Gに代表される設備投資需要が非常に大きいため、年成長率20%ともみられるクラウドソーシング市場の拡大なりの成長は十分可能とみています。
またこうしたBPO事業と一定の親和性があることから、シェアオフィス事業の方も拡大(店舗数59店、会員数4,600社)していますが、こちらはWeWorkをはじめ、リージャス日本法人を買収したTKP(3479)や、ソーシャルワイヤー(3929)といった中小型規模のシェアオフィスまであらゆる事業者が参入して競合激化しているものの、新型肺炎禍で仕入れる元のオフィス賃借料が安くなることが期待されます。実際、会社側も足許で改めて積極出店姿勢を明らかにしており、足許では大阪・江坂に1,400坪級の「THE BASE北大阪」といった大型物件を開業しています。また、藤田観光(9722)とも業務提携し、新宿や有明のワシントンホテル内に国内初のワークプレイス付きホテルを本年2月、3月に開業させていることから、(流行るかどうかは別として)同業他社とは違う特色ある商品も展開しています。
なお、株主還元については、今期も4期連続の増配となる18円配(+4円増配)に加え、2018年10月期より株主優待制度を導入しています。この優待については、東証一部指定替えを目的とした、株主数の確保が真の目的であり、一応この株主優待制度の導入を以って形式要件は全て成就したとみられることから、あとは指定変更の承認待ちとなります。
*参考記事① 2020-03-13 854円 OP
【2375】ギグワークス/クラウドソーシングは労働力の確保進み、5G関連受注も順調。
*参考記事② 2019-10-05 1,520円 NT
シェアリング好調で高い業績成長が続く、ギグワークス(2375)。
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