【2685】アダストリア/暖冬懸念あるが今期は逃げ切りか、改めて増配期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2685】アダストリア(東証1部) OP


現在値 2,381円/100株 PER17.2 PBR1.96 2月配当優待 8月配当

カジュアル衣料店をSC内軸に展開。グローバルワーク等ブランド多数。
配当金は2月末・8月末の年2回で合計50円で、配当利回りは2.10%となります。

アダストリアは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する2月末の株主に対して、3,000円分のお買い物券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.35%となります。なお、2年超の長期保有で優待額が5,000円になるので、その場合は約4.20%となります。

業績を確認していきます。 
■2016年2月期 売上高 2,000億円 営業利益 160億円 EPS 188.3円 

■2017年2月期 売上高 2,036億円 営業利益 149億円 EPS 242.5円 
■2018年2月期 売上高 2,227億円 営業利益 50.0億円 EPS 18.3円 

■2019年2月期 売上高 2,262億円 営業利益 71.0億円 EPS 82.6円 

■2020年2月期 売上高 2,230億円 営業利益 120.0億円 EPS 137.9円 ce修正
□2019年8月2Q 売上高 1,089億円 営業利益 71.6億円 EPS 93.6円 
□2019年11月3Q 売上高 1,642億円 営業利益 119.7億円 EPS 146.6円(12/27)

2019年8月期の売上高は前年同期比3.8%増の1,089億円、営業利益は同黒転の71.6億円となり、期初予算との比較はないものの、大増勢での着地となりました。主力の「GLOBAL WORK」にくわえ、低調だった「LOWRYS FARM」が復調、「niko and」「BAYFLOW」が引き続き順調に推移した結果、上期6ヵ月の既存店売上高は104.6%という高水準での着地となり、連れて在庫削減のための値引販売が削減されたことにより、利益率も飛躍的に改善しました。なお、海外事業については香港・中国での「COLLECT POINT」等の不採算店閉鎖の一巡で減収となったものの、赤字幅も急速に縮小しています。

 

なお、2020年2月期の通期予算についても公表済の3Q時点で修正しており、売上高が前期比微増の2,230億円(従予:2,250億円)、営業利益は66.9%増の120億円(従予:100億円)と、好調な業績推移による値引き販売の縮小により、営業利益を大きく増額しています。今期は通年で22億円も営業利益段階にヒットしていた、旧トリニティーアーツの“のれん代”償却剥落による上乗せ効果があるものの、「GLOBAL WORK」や「LOWRYS FARM」といった従来の当社旗艦ブランド群が、リブランディングやターゲット見直し等によるMD改革が奏功したことが寄与しています。予算の前提となる単体の既存店売上高を101.3%水準でセットしていますが、既に公表されている月次10ヶ月累計は101.5%で進捗しているため、概ね予算通りで推移しています。なお出退店状況については、新店69店・退店46店のネット純増23店を計画していますが、こちらは計画から一転して大幅な退店超過になる公算が高そうです。

 

当社は今次中計より目標の出し方を変更しており、3年後の2021年2月期を最終年度とする新中計では営業利益率8%(前期は4.3%)、ROEを15%(同1.6%)というKPI形式での目標に変更しています。これは当社悪癖であった“トップライン目標を達成するための在庫投げ売り”を止めることが主目的であり、利益コンシャスの経営を志向しています。今期は中計2年目であり、期初予算を達成した場合でも営業利益率も5.0%に届かない水準でしたが、既述のとおり予算増額したため、さしあたり今期は5.3%水準にまで良化する見通しです。ただ足許でも年2桁幅で成長し、売上高構成比2割を占めるまでに成長していたEC販売において、ZOZO等からの切替を促進してきた自社EC「.st」がシステムトラブルで1ヵ月休止するなどのトラブルが発生しているため、好採算事業であることを鑑みると会員の増加基調に変わりがないことを注視していく必要があると考えています。

 

なお今期の配当予想については、2017年2月期に25円減額した経緯もあり、年50円配の据置きを予想していますが、当社は借金が殆どない好財務企業であり、今期のボトムラインはシステム減損を▲15億円分追加で織り込んでなお増額していることから、「年60~70円水準」までの復元配は十分にありえるものと考えています。

 

*参考記事① 2019-07-05 2,276円 OP

業績復調と、のれん償却負担剥落で大増勢か・アダストリア(2685)。

 

*参考記事② 2019-01-05 1,928円 NT

オンワードのZOZO撤退は追い風、EC戦略に弾みつくか・アダストリア(2685)。

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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