独禁法違反で昇格はまだ先か、コーア商事ホールディングス(9273)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9273】コーア商事ホールディングス(東証2部)  OP

現在値 830円/100株 PER9.6 PBR0.62 6月配当 株主優待あり

ジェネリック医薬品の原薬販売が中心。注射剤や経口剤を中心とした医薬品製販も。


配当は年間24円のため、配当利回りは約2.89%となります。コーア商事は株主優待制度を実施しており、6月末の単元株主に1,000円分のクオカードを進呈しているほか、1年超継続保有の株主に対しては同2,000円分を進呈しているため、配当優待利回りはそれぞれ約4.09%、約5.30%となります。

業績を確認していきます。
■2016年6月期 売上高 152億円、営業利益 17.5億円、EPS 124.8円 
■2017年6月期 売上高 151億円、営業利益 16.1億円、EPS 122.1円

■2018年6月期 売上高 148億円、営業利益 12.7億円、EPS 78.3円 

■2019年6月期 売上高 152億円、営業利益 12.1億円、EPS 66.0円 

■2020年6月期 売上高 150億円、営業利益 13.0億円、EPS 85.8円 ce

□2019年9月1Q 売上高 28.8億円、営業利益 1.0億円、EPS 5.8円(11/8)    

□2019年12月2Q 売上高 75.0億円、営業利益 6.3億円、EPS 38.4円 四e   

2019年6月期の売上高は前期比2.6%減の152億円、営業利益は同5.0%減の12.1億円となり、増収こそ確保したものの、期中の減額修正後の予算も下回って着地しました。利益柱の原薬販売事業については、高脂血症用材用原薬の薬価改定による単価下落や在庫調整による需要減少が大きく響いた格好となります。一方、医薬品製販事業については、透析患者向けの二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「マキサカルシトール」、腎臓病向け医薬品「炭酸ランタン」の販売増加により増収となったものの、「炭酸ランタン」の生産コストが想定超となり、同セグは2割強の増収となったものの、赤字幅は拡大する格好となりました。

 

進行期である2020年6月期の通期予算については、売上高は1.4%減の150億円、営業利益は同7.4%増の13.0億円(従予:16億円)を予想しています。原薬販売事業については、薬価改定と競合激化による売上・利益減少を織り込む一方、医薬品製販事業においては「マキサカルシトール」の蔵王工場設備拡充後の通期稼働効果を見込むほか、実績期より販売を開始した「炭酸ランタン」の販売本格化が見込まれるため、先行投資の一巡と増収効果によりセグメント損益を一気に均衡圏まで持っていく見通しです。そのため、全社では増益予算となるものの、内訳が大きく変わることとなります。

 

当社は2018年6月に東証2部市場に上場しており、約4.4億円(@890円)を調達しており、医薬品製販事業における蔵王工場の生産設備拡充費用に充当しています。蔵王工場は総投資額50億円にものぼる当社の旗艦工場であり、上述の「マキサカルシトール」「炭酸ランタン」といった代表商品の生産・増産体制を整備したほか、この2商品以外では抗がん剤をはじめとした高薬理活性剤(※少量で人体へ大きな影響を及ぼす薬剤)シリンジ品の少量多品種生産や、本年6月の設備拡充により各種バイアル液剤や凍結乾燥領域の受託製造も可能となったため、本分野において医薬品メーカーに対して営業を進めていく方針です。

 

当社は中期経営計画を開示していないものの、医薬品製販事業における中期的な目標として、4年後の2023年6月期頃には原薬販売事業と並ぶ利益水準を目指すこととしており、機械的に数字を当てはめていくと、2023年6月期に想定される営業利益は32億円(CAGR15%/5yで計算)となります。然しながら、肝心の原薬販売が薬価改定の影響等で利益水準がジリ貧となっている状況のため、このような目標感は実態として既に意味をなしていないものと考えられます。ジェネリック原薬分野については同業にダイト(4577)がおり、同様に原薬商社機能を有するとともに、当社の最大取引先でもある日医工をはじめ、沢井製薬と取引がありモロに競合関係にあります。ダイトは売上高規模が当社の倍以上もあるほか、規模のみならず売上高成長率・利益成長率ともに水をあけられているものの、ダイトは固形製剤や内服製剤の取扱が多く、当社としては製造ラインを強化したシリンジ品、バイアル液剤、凍結乾燥領域で同社と差別化していけるかどうかがポイントとなります。

 

株主還元については据置の年24円配当を予想しています。蔵王工場への設備投資も一巡しており、財務的には余力があるものの、今後更なる生産設備の拡充を視野に入れると、これ以上突っ込んだ株主還元はしてこないとみられます。なお、会社側は株主優待制度の恒常化(株主数と流動性確保)により、早期に東証一部市場への指定変更を志向しているものとみられますが、足許では独禁法違反等もあったことから、昇格にはそれ相応の時間がかかるものと考えています。

 

*参考記事① 2019-05-05  766円 OP

生産コスト想定超で減額も、早期に指定替え志向か・コーア商事ホールディングス(9273)。

 

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