クラウドワークス追撃狙う、老舗ITサポート業者・スリープログループ(2375)。 | なちゅの市川綜合研究所

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「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
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【2375】スリープログループ(東証二部) ---

現在値 829円/100株 PER14.6 PBR 1.95 10月配当株主優待 4月株主優待

IT軸の営業支援、PC等機器導入、工事・運用等の受託・派遣が柱。コールセンターも。
配当金は10月末一括の10円配当のため、配当利回りは1.21%となります。

 

スリープログループは株主優待制度を導入しており、4月末・10月末に単元株を保有する

株主に対して、1,000円相当のこども商品券(ないしビットコイン)を進呈しておりますので、

配当優待利回りは約3.63%となります。

業績を確認していきます。 
■2015年10月期 売上高 88.0億円、営業利益 2.5億円 EPS 28.3円
■2016年10月期 売上高 114億円、営業利益 2.6億円 EPS 26.6円 
■2017年10月期 売上高 134億円、営業利益 3.8億円 EPS 32.7円

■2018年10月期 売上高 160億円、営業利益 5.8億円 EPS 46.7円 

■2019年10月期 売上高 170億円、営業利益 7.0億円 EPS 56.4円 ce
□2019年1月1Q 売上高 40.5億円、営業利益 1.6億円 EPS 10.4円(2/26)

□2019年7月2Q 売上高 87.3億円、営業利益 3.6億円 EPS 27.4円 ce

2018年10月期の売上高は前期比19.3%増の160億円、営業利益は同53.4%増の5.8億円と

なり、期初予算との比較では減収増益となったものの、トップライン段階から2割近い伸び

を確保し、大増勢での落着となりました。主力のBPO事業において、多言語対応のコール

センターやシステムエンジニアリングが特に伸長したほか、スマートフォンやタブレット等

の端末設定(キッティング)業務、家電量販店向けの販売派遣なども順調に推移しました。

他方、シェアオフィス事業についても、やや伸びが緩慢ではあるものの、委託店から直営

店への切替が進んでいるため、今後の採算性の改善が期待されます。


進行期である2019年10月期の予算については売上高が5.9%増の170億円、営業利益は

19.4%増の7.0億円を計画しており、さすがに成長モメンタムが鈍化するものの、それでも

2割近い営業増益を予想しています。BPO事業については、通販向けのコールセンター

「通販LINKS」の好調持続が見込まれるほか、物流回りのフルフィルメントサービスの

拡充により、付加価値の獲得を狙います。また、5G対応の基地局工事や通信システム

設定業務における派遣業務においては特需発生が期待出来ることから、こうした事業

環境面の追い風もあり、増収増益基調の堅持が予想されます。なお、2月末に開示済

の1Q決算によれば、売上高・利益ともに予算超過ペースの業績進捗が確認出来ます。

 

当社はPC周りの「家庭教師」やトラブルシューティングなどのPCサポート業務を祖業

としてきましたが、近年では幅広いスポット系BPO業務を請け負っているほか、足許に

おいては“ギグ・エコノミー”と呼ばれるシェアリング・エコノミーの一分野にフォーカス

しており、同業者でいうとクラウドワークス(3900)社の事業ドメインを強化しています。

同社の登録者数は既に200万人を突破しているのに対し、当社の登録者は10万人程

に過ぎないものの、当社の場合は登録者以外でも自社社員による業務受託を実施し

ているほか、PC周りで培った高い専門性や、長年の法人顧客基盤も抱えているため、

一概に登録者数だけの単純な比較は出来ないと考えており、今後はこの事業ドメイン

(シェアリング・エコノミ-)で相応のシェアを奪っていく蓋然性が高いと思われます。

 

そしてこのBPO事業を側面支援する形となるのが、シェアオフィス事業となりますが、

こちらに関してはWeWorkをはじめとして、業界自体が瞬く間にレッドオーシャン化して

おり、名だたる大手企業が業界の垣根を越えてパワープレイを繰り広げているような

状況です。そのため、業界では弱小の当社がこの分野で成長することは期待しにくい

ものの、それ単独での採算性を求めるのではなく、あくまでBPO事業の執務スペース

確保の一環としてやるのであれば、(殆ど儲からずとも)意味があるかと考えています。

 

なお、株主還元については、今期も3期連続の増配となる10円配(+2円増配)に加えて

実績期より株主優待制度を導入しています。ただ優待については、東証一部指定替え

を目的とした、株主数の確保が真の目的であり、一応この株主優待制度の導入を以て、

形式要件は全て成就したとみられることから、あとは指定変更の承認待ちとなります。

(※もっとも時価総額が数十億円レベルのため、またすぐ降格する可能性もあります)

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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