成長モメンタム鈍化も、財務は一段と良化し増配予定・アメイズ(6076)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6076】アメイズ (福証) ---

現在値 1,320円/100株 PER9.1 PBR1.95 11月配当優待

老舗ホテルをジョイフルが買収後、創業者が株引き取り。九州地盤にチェーン展開。
配当金は11月の年1回30円配当で、配当利回りは2.65%となります。

 

アメイズは株主優待制度を導入しており、11月時点で単元株以上を保有する株主に対し、

30%の宿泊割引の株主優待券を5枚進呈しております。

業績は以下の通りです。
■2015年11月期 売上高 109億円、経常利益 13.5億円 EPS 53.1円 
■2016年11月期 売上高 124億円、経常利益 18.1億円 EPS 68.0円 

■2017年11月期 売上高 140億円、経常利益 28.1億円 EPS 121円 
■2018年11月期 売上高 147億円、経常利益 31.0億円 EPS 133円 

■2019年11月期 売上高 160億円、経常利益 35.0億円 EPS 144円 ce
□2019年5月中  売上高 78.0億円、経常利益 17.0億円 EPS 72.3円 ce

2018 年11月期の売上高は前期比4.3%増の147億円、経常利益は同10.4%増の31.0億円

となり、2桁の増益幅こそ確保したものの、売上高・利益ともに期初予想を割り込んで着地

となりました。西日本豪雨や台風影響により稼働率が落ち込んだことが予算割れの原因

とみられます。なお、新規出店については別府駅前(125室)の1物件に留まっており、期末

時点での物件数は78店(直営75店・FC3店)となりました。

進行期である2019年11月期の予算については、売上高が8.8%増の160億円、経常利益は

同12.6%増の35.0億円を予想しております。期末物件数78店に対し、出店は大分・伊予など

3店を計画しており、相変わらず出店ペースが鈍化しているものの、160室規模の大型物件

を(企画)開発することで、採算性を向上させていく方針です。その他の良化要素としては、

実績期の台風影響分の改善と、インバウンドの地方観光の増加傾向などが挙げられます。

当社はファミレスのジョイフル創業者でもある穴見保雄氏が退任し、次男の穴見賢一氏に

バトンタッチしてはや数期が経ちましたが、同氏就任直後の出店の勢いはなくなっており、

足許では成長ペースがややスローダウンしております。これは運営特化型で賃借出店が

基本のグリーンズ(6547)や、開発出店ながらも運営を外部委託するABホテル(6565)とは

異なり、当社は原則として自社による開発出店と運営に拘っているため、積極的な出店の

難易度が高いことが挙げられます。

 

特に当社の開発パートナーである大和ハウス工業は九州エリアにおいて地震や豪雨等の

復興需要を享受していることから、従来より当社案件に対しての関与が薄らいでる可能性

があるほか、全般的に資材価格・工賃が値上がりしているため、低価格ホテルを展開する

当社は事業採算性が取りずらくなっていることも原因とみられます。おそらく足許における

開発ホテルの客室規格大型化はその対策とみられ、目論見通りに大型化が進むかどうか

が中長期的な当社業績の成長可否を占う上で、重要なポイントとなりそうです。

 

当社は2013年の福証上場時に@365円で約9億円を公募増資で調達して以来、それ以降

特にファイナンスをせずに手元資金と借入で拡大してきました。配当を絞ってきたことや、

地方物件が多いことにより、土地代(借地有)よりも物件の建物割合が高く、減価償却費の

戻りが非常に大きいので、足許の自己資本比率は37.7%まで良化しています。そのため、

今期の配当金は5円増配の35円予想となっていますが、これは公募増資の懸念をさらに

後退させるものであり、足許の成長モメンタムは鈍化してしまっているものの、希薄化の

リスクについてはあまり考えなくてもよいものと判断されます。

 

*参考記事① 2016-03-07  746円 ---

ついに次男の穴見賢一氏に世襲、アメイズ(6076)。

*参考記事② 2015-03-17 743円 ---
亀の井ホテルを40億円で売却して資金確保、アメイズ(6076)の短評。


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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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