板を眺める、という究極のゼイタク行為。 | なちゅの市川綜合研究所

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私も投資を始めて5年目位まではピコピコ動く板を眺めてるだけで楽しかったですし、全く

飽きませんでした。15時になり東証が引けると、15時15分まで場が立っているナスダック

・ジャパン市場(大証ヘラクレス市場)や、名証の板を眺めていたりしていました。15時30分

になると福証なども取引終了となるので、そこから人間らしい一日?を取り戻すべく、モソ

モソと着替えて動き出す(飲みに行く)・・・とか、そんな感じの相場廃人具合でした。

最初の頃はぼんやりと色々な銘柄の板を眺めているだけでも、投資経験が蓄積されてい

るような気がしましたし、それこそ手数料を払ったらトントンみたいなデイトレードでも、

経験という観点で意味があると思ってましたし、意味がないとは思いたくもなかったです。

 

実は、今から遡ること10年以上前の当時は、まだ売買注文と売買執行の間にタイムラグ

があり(板乗りが数秒以上遅かった)、人間の反射神経に頼った売買がまだ許されていて、

当時は駆け出しの投資家だった私も毎日板をにらめっこして売買するだけで値幅を抜い

たりすることもできたので、いま振り返ってみても素晴らしい時代だったと思います(笑)。

 

ただ今はアローヘッドが稼働してしまっていますし、昔では考えられなかったことですが、

新興市場の小型株にまでアルゴがはびこっているので、今や板を見て売買の腕を磨くな

どというのは、ほぼ不可能となっています。また、板の薄い過疎株でオポチュニスティック

な売買機会を狙うのも困難となっているため、労力のわりに報われないように思います。

 

つまり、今はデイトレーダーなどの本職の方を除き、ひとやまいくらの個人投資家が板を

にらめっこする意味など殆どないのです。板を眺めるのは経験を積んでいるようで、実際

はテレビのワイドショーを眺めてるのと大して変わらないレベルの時間の潰し方なので、

専業として日計り商いの道を極めたいとかでなければ、程々にした方がよいと思います。

私もかつては会社が有休の日などは、ずっと板を眺めていたので気持ちはわかりますが、

別にその一日だけ日中の板を見る経験をしても、その経験を他の殆どの日で活かせない

ため再現性に乏しく、貴重な有給休暇を無為に潰して終わることになってしまいます。

 

板を眺める行為は、今となっては大変ゼイタクな時間の遣い方です。リタイアして退職金

を運用しているようなお爺様なら、板にらめっこしてもまだ理解できる部分もありますが、

働き盛りの30代~40代の方が板ピコピコに夢中になるのは、時間の現在価値が非常に

高いことを考えると、大分勿体ないと思います。これは前から申し上げていることですが、

兼業投資家の場合は可処分時間が少ないので、実際に売買執行を念頭に入れた場合

でも、指値を何度もやり直すのではなく、最初から成行で即約定させてもいいくらいです。

 

まぁ実際問題、投資に時間を使うという点においては、決算書を読み込んで分析したり、

投資本を読んだりすることよりも、寝っ転がりながら板をただ眺めるのが一番ラクなのは

間違いないと思います。ただ一番ラクだけに、一番役に立たないということで、その辺は

世の中のありとあらゆる道理とあまり差のないところかと思います。

 

*参考記事 2017-03-22

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