【4666】パーク24(東証1部) ---
現在値 2,705円/100株 PER32.6 PBR4.93 10月配当優待
24時間無人時間貸し駐車場タイムズを運営。英国・豪州などにも展開。
予想配当は年間合計70円のため、配当利回りは2.59%となります。
パーク24は株主優待を導入しており、単元株を保有する10末株主に2,000円分の
パーキングチケットを進呈していますので、配当優待利回りは約3.32%となります。
業績を確認をしていきます。
■2015年10月期 売上高 1,796億円 営業利益 185億円 EPS 79.5円
■2016年10月期 売上高 1,943億円 営業利益 214億円 EPS 95.8円
■2017年10月期 売上高 2,329億円 営業利益 205億円 EPS 91.6円
■2018年10月期 売上高 2,985億円 営業利益 225億円 EPS 91.8円
■2019年10月期 売上高 3,200億円 営業利益 226億円 EPS 82.6円 ce
□2019年1月1Q 売上高 790億円 営業利益 54.9億円 EPS 23.7円(2/28)
□2019年4月2Q 売上高 1,540億円 営業利益 93.0億円 EPS 36.1円 ce
2018年10月期の売上高は前期比28.1%増の2,985億円、営業利益は同9.9%増の225
億円となり、売上高・利益ともに2桁レベルの伸びとなったほか、対期初予算も達成
したほか、特に営業利益は予算ピンポイントで着地となりました。主力の国内駐車場
事業における運営台数は前期比5.3%増の580,751台へ増加したほか、当社が区分で
自己勘定で保有する「さっぽろ創生スクエア」といった基幹現場の開拓も進みました。
モビリティ事業(レンタル・シェア)についても、投資先行期間が続くものの、セグメント
としては年率2割程の成長を維持しており、こちらの運営台数についても前期比17.0%
増の23,431台となっています。一方海外事業は、英National Car Parks(NCP)および
豪Secure Parking(SP)の通期寄与が始まったものの、費用先行で赤字となりました。
進行期である2019年10月期の予算については、売上高が7.2%増の3,200億円、営業
利益は0.3%増225億円を予想してます。国内駐車場事業については、なお新規現場
の拡大が継続する見通しであり、現場数ベースで6%ほどの純増を計画しているため、
運営台数の伸びも同率かやや上回ってくるものとみられます。トップラインがしっかり
伸びているわりに利益がついてこないのは、3Qに予定されている有楽町から五反田
への本社移転による一時費用増加の影響が非常に大きく、これ以外にも消費増税に
より、内税である設定料金の改定が進まなかった場合や増税による消費落ち込みに
より、直接的・間接的なネガティブ影響が予想されることから、保守的な見立てをして
いるものとみられます。なお、既に2月末に1Qが開示されていますが、こちらは非常に
順調な業績進捗が確認でき、前年の雪害影響が無くなったほか、特にモビリティ事業
でめざましい良化(後述)も確認されるため、現状においては会社予算に対して上振れ
ペース、と判断出来そうです。
当社は中長期的な業績目標を特に掲げていないものの、一応の目安として毎期2桁
(年率10%)を超える経常利益の継続的な成長を目指しています。既述のとおり、今期
は本社移転等が重しとなり伸び一服となる見通しではあるものの、モビリティ事業と
海外事業が今後の成長ドライバーとして機能することが期待されます。
特にモビリティ事業については、先行投資の種蒔き状態が続いておりましたが、足許
1Qのセグメント売上高は前年同期比2割の伸びをマークしているほか、営業利益につ
いては会社側計画の同3割増を大きく上回る同2.6倍(!)の飛躍的な良化となっており、
セグメントの業容拡大と既存現場収益化が同時に進んでおり、ポジティブな状況です。
また、海外事業に関しては、2017年に約190億円を投じて豪SP社の環太平洋の一部
事業と英国事業を買収しているほか、同年8月には政投銀とのJVで約238億円を投じ、
英国最大手であるNCP社の買収を完了しており、こちらも業容が急拡大していますが、
これら2社合わせて600億円もののれん代を計上しており、これを20年で償却するため、
営業利益へのインパクトが年▲30億円に及ぶため、これら2社の自前の利益はのれん
償却でオフセットされてしまいます。それどころか、英国は同国内景況感の悪化や地主
への支払賃料が増加している模様であり、現状では足を引っ張っている形となります。
おそらくこの海外事業さえ梃入れ出来れば、国内駐車場事業の業界シェア向上といった
オーガニックな部分と、好調なモビリティ事業で会社側のターゲットとする年率2桁成長
の継続は現実的なものなるものの、株式市場でのバリュエーションは最善のシナリオで
織り込んでおり、マルチプル30倍を超える株価には相応のプレミアムが付加されている
状況と判断されます。そのため、今後は例えばモビリティ事業において、提携先である
トヨタ自動車と先進的・拡大的な取り組みを進めるといった追加の材料がないと、業績
伸長分くらいしか株価成長が期待出来ないものとみられます。(※配当も配当性向90%
水準で出し過ぎなくらいなので、当社株については値上がり益を期待するしかない。)
*参考記事① 2018-02-25 2,554円 ---
巨額買収でのれん代重く、増配もストップか?パーク24(4666)。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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