巨額買収でのれん代重く、増配もストップか?パーク24(4666)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4666】パーク24(東証1部) ---

現在値 2,554円/100株 PER26.7 PBR4.80 10月配当優待 

24時間無人時間貸し駐車場タイムズを運営。英国・豪州などにも展開。
予想配当は年間合計70円のため、配当利回りは2.74%となります。

パーク24は株主優待を導入しており、単元株を保有する10末株主に2,000円分の

パーキングチケットを進呈していますので、配当優待利回りは約3.52%となります。

業績を確認をしていきます。
■2014年10月期 売上高 1,670億円 営業利益 175億円 EPS 71.7円
■2015年10月期 売上高 1,796億円 営業利益 185億円 EPS 79.5円
■2016年10月期 売上高 1,943億円 営業利益 214億円 EPS 95.8円
■2017年10月期 売上高 2,329億円 営業利益 205億円 EPS 91.6円 

■2018年10月期 売上高 2,900億円 営業利益 225億円 EPS 94.2円 ce
□2018年4月中 売上高 1,390億円 営業利益 91.0億円 EPS 37.1円 ce


2017年10月期の売上高は前期比19.8%増の2,329億円、営業利益は同4.2%減の205

億円となり、期初予想を下回って9月の減額修正後の水準で着地しました。主力の

国内駐車場事業における運営台数は前期比3.8%増の551,442台へ上伸したものの、

案件小型化により開発台数は伸び悩んでおり、計画の半分以下に留まりました。

また、売出中のモビリティ事業(レンタル・シェア)に関しては概ね計画通りの増車が

進んだものの、収益化の遅延や安全対策用費用が増加しました。なお、売上高の

大幅増は、豪Secure Parking(SP、※後述)社買収による海外の伸びが主要因です。


進行期である2018年10月期通期予算については、売上高が24.5%増の2,900億円、

営業利益は9.7%増225億円を予想してます。引き続き年率2割のトップライン成長が

継続しますが、これは昨年8月に買収した英National Car Parks(NCP、※後述)社が

連結を開始することと、既述の豪社が通期寄与することが主要因となります。国内

駐車場事業は戻り鈍く、基本はモビリティ事業(特にシェア)の開発ペースを遅らせ、

収益性を改善を継続させていく計画です。

 

海外事業に関しては、昨年1月に約190億円を投じて豪SP社の豪・SG・NZ・英・SG

・マレーシアの5ヶ国の事業を買収しており、これらの通期寄与が見込まれるほか、

同じく昨年8月には政投銀とのJVで238億円を投じ、英国駐車場最大手であるNCP

社を買収を完了しているため、この寄与も見込まれます。これらの2社は既に事業

規模が大きいため、“TONIC”(当社のリアルタイムIT管理システム)の導入・活用等

により中長期的に収益化を図っていく方針ですが、本件買収にともなって2社合わ

せて600億円もののれん代を計上しており、これを20年で償却するため、営業利益

へのインパクトは年▲28.5億円に及びます。そのため利益この償却をネットすると

大した利益が残らないため、どれだけ早く収益改善出来るかが注目点と言えます。

 

そしてこの巨額買収はデットで賄っているため、財務が急速に悪化しており、自己

資本比率は1年で47.7→30.5%まで低下しています。そのため、会社側は進行期の

ガイダンスで配当据置(70円)を公表してきましたが、既に配当性向70%超の水準で

還元をしてきた当社の株主還元策は“曲がり角”に差し掛かったと言えそうです。

また、既述の海外MAも買って終わりではなく、ITシステム投資等への資金需要も

予想されるため、前期まで継続してきた増配もストップする可能性が高そうです。

 

まぁでもよく考えたら、有楽町イトシアにある本社も来年に五反田の自社開発ビル

(※底地主は新日鉄興和不動産、積水ハウスの地面師事件となった土地の隣w)

に移転予定ですので、ここ数年間の中で最もカネのかかる時期とは言えそうです。

 

会社四季報

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