【3544】サツドラホールディングス (東証一部) ---
現在値 1,998円/100株 PER45.9 PBR1.11 5月配当株主優待
北海道地盤のドラッグストア。道内2位、食品・日用品強い。
配当は5月末一括の28円配予想のため、配当利回りは1.40%となります。
サツドラホールディングスは株主優待制度を導入しており、5月15日時点で単元株を保有
する株主対して、1,500円分のカタログギフトを進呈していますので、優待利回りは約2.15
%となります(ほか、3単元・15単元・30単元で優待進呈額の拡充あり)
業績を確認をしていきます。
■2016年2月期 売上高 627億円 経常利益 10.1億円 EPS 131.3円
■2017年5月期 売上高 878億円 経常利益 13.3億円 EPS 154.2円 変則
■2018年5月期 売上高 784億円 経常利益 7.7億円 EPS 32.5円
■2019年5月期 売上高 860億円 経常利益 6.0億円 EPS 43.5円 ce
□2018年8月1Q 売上高 211億円 経常利益 1.3億円 EPS 8.4円 (9/26)
□2018年11月中 売上高 420億円 経常利益 2.6億円 EPS 21.8円 四e
2018年5月期の決算については、前期が変則15ヵ月決算かつ連結対象会社が異なって
いるため比較は出来ないものの、期初予算との比較においては増収減益となりました。
主力のサッポロドラッグストアー(Sds)については、道内の積極出店により純増12店舗と
なったほか、従前より推進している低価格戦略「サツ安超プライス」による集客の増加と
インバウンドフォーマットによる高単価化粧品の販売増が寄与し、既存店月次売上高は
104.3%と高い水準を確保しました。一方、利益については、低価格戦略による原価率の
上昇や積極出店による不動産費用の増加が響き、予算の約半分での落着となりました。
進行期である2019年5月期の予算については、売上高が9.6%増となる860億円、経常利
益は22.6%減の6.0億円を計画しており、2桁近い増収となるものの、利益については連続
減益を見込んでおります。主力のSdsについては、引き続き積極出店を続ける意向であり、
実績期を超える21店を出店する計画となっているほか、堅調な既存店売上高についても
103.1%水準を予算の前提としています。それにもかかわらず減益予想となっているのは、
積極出店による不動産費用の増加にくわえ、社員登用や資格手当の見直しなどによる
人件費の増加、IT投資等の費用が影響しており、利益は圧迫される見通しです。
当社は持株会社化した一昨年より、2021年5月期を最終年度とする5年中計を開始させ
ており、変則決算期を含むため単純比較は出来ないものの、売上高を627→1000億円
(CAGR10%)、経常利益は10.1→30億円(CAGR24%)を業績目標として掲げています。
具体的な取組みとしては、主力のSdsや調剤薬局を始めとしたCIの一新(店ロゴ・MD・
フォーマットの変更)、インバウンド対応店舗の道外および海外展開や、既に代理店に
なっている微信(WeChat)にくわえ、アリペイによる決済の開始も予定しています。
特徴的なのは、他のドラッグストア事業者がMAによる同業者の買収により業容の拡大
を志向しているのに対し、当社は「EZOCA」という北海道の地域ポイントカードを武器に
異業種の囲い込みを進めており、この「EZOCA」の加盟店や地域コミュニティとの協業
により、道内における複合的なマーケティングを展開していく計画です。強いて言えば、
エリア限定版のTカードやポンタカードのようなものですが、既に北海道民への普及率
は25%を超過しているほか、会員数も年15%ペースで増加しているため、北海道限定で
はあるものの、揺るがない地位を築いています。まだ会員獲得ペースが落ちていない
ため、当分はこのプラットフォームを利用してマネタイズすることより、会員数の増加が
第一義となろうかと思いますが、中長期的な“飯のタネ”になることは確実視されます。
当社は2015年末にPOで約20億円(@2,740円)を調達していますが、当時の公募価格を
回復出来ておらず、財務水準も当時のレベルからあまり変わっていないこともあってか、
株主還元は横ばいが続いており、今期も28円配当の据置を予想しています。会社側と
しては、上述した中計の取組以外にも、本当は新電力(エゾデン)の新規顧客獲得など
資金使途はいくらでもあると推察されるため、当分は増配もしてこないとみられます。
*参考記事① 2017-10-06 2,017円 ---
地場ドラッグからの飛躍を狙う、サツドラホールディングス(3544)。
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