地場ドラッグからの飛躍を狙う、サツドラホールディングス(3544)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3544】サツドラホールディングス (東証一部)  ---

現在値 2,017円/100株 PER18.5  PBR1.1 5月配当株主優待 

北海道地盤のドラッグストア。道内2位、食品・日用品強い。

配当は5末一括の28円配予想のため、配当利回りは1.39%となります。

サツドラホールディングスは株主優待制度を導入しており、5月15日時点で

単元株を保有する株主対して、1,500円分のカタログギフトを進呈していま

すので、優待利回りは約2.13%となります。

業績を確認をしていきます。
■2016年2月期 売上高 627億円 経常利益 10.1億円 EPS 131.3円
■2017年5月期 売上高 878億円 経常利益 13.3億円 EPS 154.2円 変則

■2018年5月期 売上高 777億円 経常利益 12.0億円 EPS 108.8円 ce

□2017年8月1Q 売上高 195億円 経常利益 0.9億円 EPS 8.4円 (9/22)
□2017年11月中 売上高 530億円 経常利益 8.0億円 EPS 108.8円 四e

2017年5月期は変則15ヵ月決算かつ連結対象が異なるため、前期との単

純比較は出来ないものの、主力子会社のサッポロドラッグストアー(Sds)の

数字が12ヵ月累計期間で計上される2017年2月締め・3Qの時点比較では

売上高・経常利益とも約1割の増収増益となりました。また、変則15ヵ月決

算となる通期についても、期初予想860億円に対して878億円、経常利益

も同12.8億円予想に対して13.3億円と予想をクリアしてきています。これは

主力のSdsの積極出店により、16店の店舗純増(期末190店)を達成したこと

による増収効果や、低価格戦略「サツ安超プライス」による集客が奏功し、

既存店売上が103%で推移したため、利益も想定以上に伸長しました。

 

巡航期かつ進行期の2018年5月期の予算に関しては、売上高が777億円・

経常利益は10億円と12ヵ月決算復帰の影響もあり、反落となる見込です。

主力のSdsの積極出店を続ける計画であり、会計期間が短くなる今期も、

前の期並みの18店を出店するほか、10店の既存店改装も実施する計画

であり、開業費や改修費(営業遺失)などが嵩む見込みです。特に競合の

ツルハも高水準で道内への出店を実施しているため、食品の取り扱いを

含めた熾烈な価格競争が行われている状況で、今期は雌伏期となります


当社は持株会社化した昨年より、2021年5月期を最終年度とする5年中計

「ビジョン2020」を開始させており、こちらも変則のため単純比較は出来な

いものの、売上高を627→1000億円(CAGR10%)、経常利益は10.1→30億円

(CAGR24%)とかなり野心的な定量目標を掲げています。具体的な取組み

としては、主力のSdsや調剤薬局を始めとしたCIの一新(店ロゴ・MD・店舗

フォーマット等の変更)、インバウンド対応店舗の(道外)展開と海外出店や

微信(WeChat)の代理店化による営業といった主に店回りの対策にくわえ、

地域統一ポイントカードの拡販や地域コミュニティの組成、その他EC事業

など、道内での高い「サツドラ」の知名度を生かした業容拡大を飛躍的に

推進する目論見です。主力のSds以外はまだまだ数字として見れるような

ものではないものの、特にインバウンドに対しては、「北海道」や「札幌」は

極めて訴求力のあるパワーワードであることもまた事実であるため、上手

くいけば“北海道発の小型総合商社”へ変貌する可能性を秘めています。

 

北海道の垣根を越えて圧倒的な勢力を誇るツルハや、食品の取扱いでは

セイコーマートが非常に強力な競合となり、当社は体力的に見劣りすること

も事実ですが、いかんせん100億円にも満たない時価総額の当社は、絶え

間ないMAが続くドラッグストア業界では“淘汰の本命”となる可能性があり、

やや斜め気味の視点ではありますが、そういう妙味も一応ありそうです。

 

 

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