【3464】プロパティ―エージェント(東証1部) --
現在値 1,262円/100株 PER10.4 PBR2.22 3月配当 9月株主優待
資産運用型不動産の開発、販売とPMの2本柱。東京23区と横浜市で展開。
配当金は3月末一括の16円のため、配当利回りは1.27%となります。
プロパティ―エージェントは株主優待制度を導入しており、9月末に単元株を保有する株主
に対し、3,000円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは3.64%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 86.6億円、経常利益 7.0億円 EPS 91円
■2016年3月期 売上高 94.4億円、経常利益 7.1億円 EPS 81円
■2017年3月期 売上高 121億円、経常利益 9.3億円 EPS 87円
■2018年3月期 売上高 192億円、経常利益 11.2億円 EPS 109円
■2019年3月期 売上高 240億円、経常利益 12.5億円 EPS 120円ce
□2018年6月1Q 売上高 21.7億円、経常利益▲0.9億円 EPS▲10.9円(8/10)
□2018年9月中 売上高 50.0億円、経常利益 ▲1.9億円 EPS▲35.7円 四e
2018年3月期の売上高は前期比58.0%増の192億円、経常利益は同21.0%増の11.2億円と
なり、中間時点の増額予算を更に上回って大幅な増収増益での着地となりました。柱の
分譲事業においては、投資用を425戸、小型居住用を62戸、業者向けの一棟卸を含んだ
その他を251戸、合計で738戸を引渡し、計画線の700戸を超過しました。上場にともなう
知名度向上や不動産投資熱の高まりにより、早期販売が進み、結果として広告宣伝費が
抑制出来たため、結果として利益についても想定を上振れた格好となりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高は前期比24.9%増の240億円、経常
利益は同10.7%増の12.5億円を予想しています。今期は投資用を430戸、小型居住用を140
戸、一棟卸を含むその他180戸にくわえて、都市型アパート10棟の販売を予定しています。
ただ、今期については更に引渡が期末に偏重する予定となっており、中間予想は開示して
いないものの、赤字通過がアナウンスされているほか、期初時点の契約率は40%と前年同
期比で15pts.強悪化しています。また、期中にスルガ銀・TATERU問題が表面化したため、
不動産投資熱の低下や融資難化が進行しており、今期は苦しい進捗が予想されます。
当社は2015年12月に上場したばかりの会社であり、市場もJQSであったため、成長可能性
資料の開示はなされていませんが、会社側では時限の定めのないKPIとして、1年あたりの
マンション引渡戸数1,000戸(投資用+小型居住用の合計)、都市型アパート30棟を目指して
います。売上高換算でおよそ300億円程度とみられ、これまでの当社の成長モメンタムに照
らせば、本来であれば来期くらいには達成可能な数値でしたが、今般の潮目の変化により、
達成時期はかなり不透明になったと思われます。
このほかの業容拡大の取組として、海外不動産投資情報のプロパティアクセスと資本提携
を実施したほか、産学共同で不動産クラウドファンディングの研究を推進しており、将来的
にはその辺を新しい利益の柱に据える目論見だったと思われますが、TATERUの一件で、
軌道化には相応の時間を要すると思われます。
なお、当社は2015年の上場時には6億円ほどしか調達しておらず、順調な仕入状況に伴い
自己資本比率は20%程度まで落ちていましたが、7月の東証一部指定替えの際に通常のPO
ではなく、野村證券を相手先としたMSワラントで最大21億円(希薄化率19%)を発行しており
ます。下限行使価額の設定が低いので、おそらく全て行使されるとみられますが、不動産
市況および不動産関連株の軟化が進んでいる状況なので、(タイミングが遅かったものの)
既存株主をある程度犠牲にしても財務体質を進めたのは、一定の評価も可能です。また、
株主還元も予想配当性向13.3%とかなり絞っており、この辺の資本政策に関しては投資用
ワンルーム屋さんとしてはかなり堅実な姿勢もみられます。
*参考記事① 2018-01-20 858円*分割修正済 ---
業績上方修正&二部指定替えも、要警戒圏へ・プロパティ―エージェント(3464)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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