【9201】日本航空 (東証一部) ---
現在値 4,058円/100株 PER12.8 PBR1.33 3月配当優待 9月配当優待*
国内線・国際線ともに2位。公的資金投入とリストラで更正法終結。
配当は3月末・9月末の合計110円のため、配当利回りは2.71%となります。
日本航空は株主優待制度を導入しており、3月末の単元株保有株主に対して、国内便が
半額になる株主割引券を進呈しておりますので、1枚5,000円換算した場合の優待利回り
は約3.94%となります。(※2単元保有の場合には、9月にも追加で1枚発行されます。)
業績を確認をしていきます。
■2015年3月期 売上高 13,447億円 営業利益 1,796億円 EPS 411円
■2016年3月期 売上高 13,366億円 営業利益 2,091億円 EPS 481円
■2017年3月期 売上高 12,889億円 営業利益 1,703億円 EPS 456円
■2018年3月期 売上高 13,832億円 営業利益 1,745億円 EPS 383円
■2019年3月期 売上高 14,550億円 営業利益 1,670億円 EPS 315円 ce
★2019年3月期 売上高 14,444億円 営業利益 1,739億円 EPS 322円 QCe
□2018年6月1Q 売上高 3,420億円 営業利益 249億円 EPS 50.2円(7/31)
□2018年9月中 売上高 7,200億円 営業利益 940億円 EPS 212円 四e
2018年3月期の売上高は前期比7.3%増の13,832億円、営業利益は同2.5%増の1,745億円
となり、期初の減益予想から一転して増益着地となったほか、コンセンサス水準も超過し、
好調な内容となりました。国際線旅客数が過去最高となったほか、ビジネスクラスが堅調
に推移し、当該セグだけで営業利益が100億円上振れました。国内線についても、前年の
熊本地震からの反動による旅行旅客増があったことにくわえ、貨物も半導体・自動車関連
部品等の需要増により堅調に推移しました。費用については、油価の上昇で160億円強、
システムの償却費が70億円がオンされたものの、収入増で飲み込んだ格好となります。
進行期である2019年3月期の予算に関しては、売上高が5.2%増の14,550億円、営業利益
は4.3%減の1,670億円と減益を予想していますが、これは後述する中計に沿った数値です。
国際線は好調な北米路線が牽引することが予想されるほか、サーチャージの増加もあり、
ASK+6.8%/RPK+6.4%と大幅な伸びを見込んでいる一方、国内線については割引運賃の
影響もあり、伸びが限定的となる見通しです。費用については、今期もシステムの償却費
が90億円増加するほか、油価の上昇(SGK67.8$→73$)により、257億円の費用増をみて
おります。会社予想は保守的であるとみられるものの、足許の油価は会社側の想定より
も高い水準(80~90$)で推移しているため、1Qは計画通りとみられるものの要注意です。
当社は2017年に発表した4年中計で、「営業利益率10%維持(直近5年は14%)」という意欲
のない定量目標が示され、市場の失望を買ったものの、本年2月に早くもローリング計画
を開示しています。同計画によれば、3年後の2021年3月期に売上高16,000億円、営業利
益1,800億円を新たに定量目標として定めており、「8.10ペーパー」による羽田発着枠不利
配分の回避を意識してなのか、市場期待値の2,000億円を下回る目標を維持しています。
ただ前年の中計が拙かった反省があるのか、株主還元を手厚くする内容も併せて明らか
にしており、株主資本配当率(DOE)3%と配当性向30%の還元基準を定めています。当社は
あと2年で税優遇期間が終了することによりEPSが削られてしまうため、これをカバーする
形でDOE3%による、配当額の下支えが出来た格好となります。また、配当性向自体も35%
までの引き上げを公表しているほか、今期会社予想ベースでは既に同水準に達している
ため、このまま35%水準が採用された場合は、直近で実施した200億円(2%)の自社株買い
と消却により、今期据え置いている年間110円の予想配当は増配含みと言えそうです。
*参考記事① 2017-07-24 3,633円 --
念願の配当性向引き上げも、中計の意欲は低い・日本航空(9201)。
*参考記事② 2016-11-24 3,397円 ---
通期減額も、300億円の自社株買いで対応・日本航空(9201)。
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