【7256】河西工業 (東証1部) ---
現在値 1,318円/100株 PER7.0 PBR0.83 3月配当株主優待 9月配当
自動車内装インテリア部品メーカー。ドアや天井など。日産向6割強。
配当金は3月末・9月末の合計36円配当のため、配当利回りは2.73%となります。
河西工業は株主優待制度を実施しており、3月末に100株以上を保有する株主に対して、
1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.49%となります。
なお、1年以上継続保有で優待が倍になりますので、その場合は約4.24%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 2,147億円、経常利益 117億円、EPS 174円
■2016年3月期 売上高 2,379億円、経常利益 161億円、EPS 224円
■2017年3月期 売上高 2,225億円、経常利益 156億円、EPS 236円
■2018年3月期 売上高 2,240億円、経常利益 144億円、EPS 200円(5/8)
■2019年3月期 売上高 2,200億円、経常利益 130億円、EPS 187円 ce
□2018年9月中 売上高 1,100億円、経常利益 65.0億円、EPS 93円 四e
2018年3月期の売上高は前期比微増の2,240億円、経常利益は同7.9%減の144億円となり、
減益ながら期初予算をクリアして着地しました。主戦場である北米市場と国内市場において
受注車種の生産終了に見舞われたほか、特に国内で主要取引先である日産が完成車検査
絡みで問題が発生したことが影響を及ぼしました。それでも予算を達成したのは、中国市場
において減税政策という‘追い風’により、受注車種が増加し、販売台数が過去最高水準と
なったことが全社の業績を大きく底上げしました。なお、想定為替レートは110円(USD/JPY)
していたものの、落着レートは112.04円でしたので、為替振れ分でも多少上乗せがあります。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が1.8%減の2,200億円、経常利益は
9.9%減の130億円と連続減益を見込んでいます。好調だった中国市場が、競争激化による
単価減少の兆候がみられるほか、北米・欧州市場ともに政策の影響を受けやすい状況が
続いているため、保守的な予算組みになっていると推察されます。一応、欧州ではルノー
向けで初受注があったほか、スロバキアで新工場を建設中であるため、持ち直し期待が
かかるものの、実際に効いてくるのは来期以降かと思われます。なお、今期の想定為替
レートについては、105円(USD/JPY)まで抑えた上で予算組みがなされています。
当社は「KR10」という10年間におよぶ長期経営計画(FY2014-2023)を推進しており、この
長計内のマイルストンとなる3年中計においては、実績期で売上高2,350億円・営業利益
141億円を目標としていましたが、未達となりました。本来であれば今期から新3年中計
(第2フェーズ)の定量目標が掲げられる筈ですが、現時点で特段の開示はなく、ひとつ
前の期のマテリアル表現から読み取る分には、向こう2期(2020年3月期)までは横ばい
成長となる見通しであり、収益を維持できる体制を整備するだけの期間になりそうです。
一応、既述のとおり日産系である強みを活かして、ルノーからの新規受注があったほか、
北米でトヨタとダイムラーからも受注しています。また、テネシー州の北米日産工場内に
インサイト工場を新設し、日産との蜜月関係の維持に努めている状況です。
ちなみに株主還元施策に関しては、2014年3月期から5期連続となる増配を続けており、
【9→11→16→26→32→34円】、今期は2円増配となる36円配当を予想しています。
財務的には自己資本比率4割を超えており、借金の大部分を手許現金でネットしている
ため、今期予想ベースで19%程度に留まる配当性向にはやや物足りなさも残るものの、
直近では福岡の新工場建設に30億円ポンと突っ込んだりしているので、設備投資余力
を温存させつつ、牛歩的に増配するような還元スタイルなのかもしれません。
*参考記事① 2017-08-10 1,526円 ---
*参考記事② 2016-06-30 897円 ---
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