ストック型収益モデルで、業績予想精度は高い・ネオジャパン(3921)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3921】ネオジャパン(東証一部) --

現在値 1,263円/100株 PER55.0 PBR45.99 1月配当優待 7月優待

企業や官公庁向けにクラウド/パッケージ型のグループウェアの販売。
配当は1月末一括の5円配当となっており、配当利回りは0.40%となります。

ネオジャパンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する1月末・7月末の株主

に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは1.20%となります。

業績を確認していきます。
■2015年1月期 売上高 17.2億円、経常利益 2.6億円 EPS 14.3円 
■2016年1月期 売上高 19.0億円、経常利益 3.8億円 EPS 20.0円

■2017年1月期 売上高 21.1億円、経常利益 4.2億円 EPS 20.6円

■2018年1月期 売上高 23.1億円、経常利益 4.5億円 EPS 22.0円(3/15)

■2019年1月期 売上高 26 .0億円、経常利益 5.0億円 EPS 22.9円 ce
□2018年7月中 売上高 12.6億円、経常利益 2.0億円 EPS 9.2円 ce

2018年1月期の売上高は前期比9.2%増の23.1億円、経常利益は同5.3%増の4.5億円と

ほぼ期初予想ピンポイントでの着地となりました。クラウド型製品は主力の「desknet’s

 NEO」のユーザ数増加にともない、前年比16.2%増と好伸し業績を牽引しました。一方、

旧来のプロダクト型は中小企業向けが大きく落ち込んだものの、カスタマイズでの大型

案件の受注獲得や、サポートの売上が底堅く推移したため、前期並みに留まりました。

費用面では、開発ソフトの資産額計上が想定を上回ったことや、ソフトウェア償却費が

少なかったものの、上場市場変更費用や支払家賃増、優待費用などが嵩みました。


2019年1月期通期の予算に関しては、売上高が12.5%増の26.0億円、経常利益は12.5%

増の5.0億円と、今期も売上高から2桁の伸びを予想しています。クラウド型のユーザー

増加数の伸びは衰えておらず、直近4年間でCAGR40%弱という破竹のハイピッチで増加

しているほか、グループウェア市場全体としてもCAGR11%程で拡大しているため、会社

予想レベルでの成長の蓋然性は高そうです。当社は業種的に、売上高が拡大(会員社

数が増加)すれば、利益率が改善しやすいモデルですが、今期は会員社数増加に対応

するためのデータセンターの強化や従業員の増加を見込んでいるため、利益の伸び幅

は売上高と同程度に留まる見通しとなっています。


当社は中期計画を開示していないものの、会社側のコメントによれば2021年1月期まで

の4年間で、2017年1月期実績に対しておよそ倍の売上高・利益を目標としているため、

CAGRは2割弱となります。本邦のグループウェア市場は、大企業は外資系の3社(IBM

・マイクロソフト・Google)、中小企業はサイボウズや当社がシェアを取ってきましたが、

近年のクラウド型への移行に伴い、IBMの「Notes」が縮小し、大企業は「office365」や

「Google Apps」に集約されつつあります。一方、中小企業向けはグループウェアその

ものの普及率が未だ40~50%程度に留まっているため、その分の伸び代と、直接的な

競合となるサイボウズからのリプレイス需要の獲得が成長原資となります。特に当社

サービスはクラウド版、プロダクト版ともにサイボウズの半分程度の導入・運営コスト

であるほか、外資よりも日本語や商習慣のローカライズの観点で優位性があります。

 

財務については、無借金状態が継続しており、現金25億円のほか有価証券(債券)を

7億円超保有しております。基本的に資金需要もあまり発生しない(と思われる)ため、

従来1割程度に留まっていた配当性向目標は2割へと修正され、今期は配当性向22%

水準となる5円配当を予想しています。まだ増配余地はありそうですが、上場して2年

半程の“伸び盛り”の会社なので、その辺に関しては目を瞑る方向で考えています。

 

*参考記事① 2017-11-19 974円 --

サイボウズのリプレイス狙う、好財務のネオジャパン(3921)。

 

 

会社四季報 

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