従業員待遇改善完了で、2桁増収増益路線に復帰か。アイ・ケイ・ケイ(2198)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2198】アイ・ケイ・ケイ(東証一部) --

現在値 763円/100株 PER17.4 PBR 2.10 10月配当 4月株主優待

九州・北陸・四国・東北など地方中核都市でゲストハウス型挙式等展開。
配当金は10月に一括12円配当のため、配当利回りは1.57%となります。

 

アイ・ケイ・ケイは株主優待制度を導入しており、4月末に単元株以上を保有する
株主に対し、1,500円相当の特選菓子を進呈しておりますので、配当優待利回りは

約3.53%となります。

業績を確認していきます。 
■2014年10月期 売上高 153億円、経常利益 20.0億円 EPS 41.0円
■2015年10月期 売上高 169億円、経常利益 21.0億円 EPS 39.3円
■2016年10月期 売上高 179億円、経常利益 21.6億円 EPS 45.5円 
■2017年10月期 売上高 181億円、経常利益 18.2億円 EPS 44.9円(12/11)

■2018年10月期 売上高 200億円、経常利益 20.1億円 EPS 43.7円 ce
□2018年4月中 売上高 91.8億円、経常利益 5.2億円 EPS 11.5円 ce

2017年10月期の売上高は前期比1.5%増の181億円、経常利益は同15.7%減の18.2

億円となり、売上は期初予算を達成したものの、利益はやや下回って着地しました。
主力の婚礼事業に於いて、金沢・福岡・広島の3既存店のリニューアル効果もあり、

施行組数は着実に増加(4,309→4,384組)しましたが、従業員待遇改善による費用

増や、海外調査費用、期末に開業した岡崎の新店準備費用が嵩んだほか、翌期

新店の先行費用も発生したため、計画よりも減益幅が拡大しました。

進行期の2018年10月期の予算については、売上高が10.1%増の200億円、経常利

益は同じく10.1%増の20.1億円とを2桁の増収増益路線の回帰を目指す計画です。

昨年10月開業の岡崎支店の通期稼働効果や、同12月開業の大阪支店が2Q期間

から寄与することもあり、期末時点の受注残高は一年前と比べて、3,405→3,628組

へと増加しています。今期は従業員への待遇改善(費用)が一巡し、この2店の新店

がそのまま利益も押し上げる格好となり、収益化にまだ時間のかかるインドネシア

の海外挙式事業の赤字(0.5億円)を飲み込んで、増益見込みとなっています。

 

ただ新店に関しては大阪の1店舗のみであり、基本的に前の期同様にリニューアル

投資が中心となり、高知・福井・金沢といった既存店への投資を進めます。当社は

九州を地盤とするウエディングオペレーターらしく、自然を活かした式場が多いため、
リニューアルによる費用対効果が高く、建物の陳腐化に対応するためにスクラップ&

ビルドを含めた新店戦略を中心とするゲストハウス事業者(T&G、ベストブライダル)

とは一線を画する戦略をとっています。その一方、インドネシアで推進する海外事業

はジャカルタのオフィスビルの上層階を賃借して、国内でいうところのエスクリの様な

事業を展開しようとしているため、こうした出店の意図には若干の疑問も残ります。


また、当社の強みは九州で屈指の新卒就職人気を維持していることであり、2018年

のマイナビの就職人気ではJR九州に次ぐ2位を堅持しており、比較的質の高い学生

を割安な人件費で採用することに成功しており、当社競争力の源泉になっています。

また、前の期に1.5億円の従業員処遇改善予算を付けたこともあり、平均年収がこの

3年で【353→380→391万円】に増加しているほか、勤続年数も【5.1→5.6→5.8年】と

着実に伸びてているため、懸念となる“人繰り問題”も何とかなりそうな印象です。


最後に株主還元ですが、今期の配当予想も前の期と同じ12円を据え置いています。

既述のとおり、当社は“新店よりもリニューアル”という手堅い考え方の会社であり、

自己資本比率は本業種としては異例の54%強を誇っていますが、株主還元に回す

意向はほとんど感じられません。どちらかというと株主よりは従業員の方を向いた

経営をしている印象であり、本格的な株主還元を期待するには現在株主順位5位

の従業員持株会(3.7%)のシェアが大きくなるなどしないと、難しいかもしれません。

 

*参考記事① 2017-02-03  698円 --

人件費積み増しで雇用重視路線が濃厚、アイ・ケイ・ケイ(2198)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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