【2764】ひらまつ(東証1部) ---
現在値 551円/100株 PER18.4 PBR2.36 3月配当優待 9月配当優待
創業者の平松氏が創業者。高級フランス料理店など展開、ホテル強化中。
配当金は3月9月の年2回合計16.02円のため、配当利回りは2.91%となります。
ひらまつは株主優待制度を導入しておりまして、3月末・9月末現在の単元以上
保有の株主に対して、飲食10%割引カードを進呈しております。5単元以上保有
の場合は、割引率が拡大して20%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 56億円、経常利益 14.2億円 EPS 23.3円 変則
■2016年3月期 売上高 113億円、経常利益 27.7億円 EPS 45.6円
■2017年3月期 売上高 115億円、経常利益 19.1億円 EPS 31.7円
■2018年3月期 売上高 124億円、経常利益 22.0億円 EPS 32.2円 ce
□2017年9月中 売上高 58.1億円、経常利益 9.0億円 EPS 16.0円
□2017年12月3Q 売上高 91.8億円、経常利益 15.2億円 EPS 25.3円(2/9)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比4.7%増の558.1億円、経常利益は同0.6%
増の9.0億円となり、期初予想を下回りました。前期に開業した3ホテル(賢島・熱海
・仙石原)がフルに寄与したほか、夏場の繁忙期には想定を超える稼働率を記録し、
業績を押し上げました。しかしながら、本業のレストラン事業が天候不順やユーロ
高による原価高騰の影響を受けたほか、新規開業予定ホテルの先行費用の増加、
広告費の増加等も重なり、経常利益は2億円程の予算未達となりました。
なお、2018年3月期通期については期初の予算を据置いており、売上高は前期比
7.8%増の124億円、経常利益は同44.5%増の27.6億円を予想しています。昨年9月
に京都・高台寺に和食料亭と「ひらまつ」を開業しているため、その寄与が見込ま
れるほか、既述の3ホテルも秋の繁忙期を迎えるため、回収が進む見通しです。
ただ2/9に既に開示されている3Qによれば、9月・10月の台風直撃の影響を受け、
業績進捗率が低下し、9ヵ月累計期間では減収減益寸前まで落ちてしまっている
ため、通期予算はかなり過大になっており、今期は未達確実と推察されます。
当社の長期的な目標は、10年ほどでホテル事業の売上高を300億円まで伸ばし、
レストラン事業と併せた売上高を500億円まで持っていく計画です。基本的には
ホテルで積み増しを図っていく計画であり、前期に開業した賢島・熱海・仙石原に
くわえ、来期の宜野座(19室)、再来期の京都(29室)、再々来期の軽井沢(30室+)
・那須温泉(30室+)が“名有り”になっています。これらは出店済みの賢島(8室)や
熱海(13室)と比べるとかなり室数が大きくなっており、会社側はレストランと宿泊
を融合させた“オーベルジュ”に手応えを感じていると推察され、室数規模を拡大
して、レストランで高級ワインをがぶ飲みさせ(※すぐに寝られるところがポイント)、
料飲込ADRをカチ上げる戦略を採っているものと推察されます。また当社は利益
源であるワインを輸入に頼っているため、足許での円高傾向は追い風となります。
ということで、ホテル事業への注力が鮮明となっていますが、レストランと異なり、
オンバランスの開発型が多いため投資が非常に重く、財務を痛めてきましたが、
昨年7月にこれまで買い集めた自社株の殆どを売出で大放出し(OA込1千万株
@618円)、約59億円を市場から回収しました。これにより自己資本比率は約21%
から約41%にまで良化し、当面の新規投資に耐えうる財務へ急回復したものの、
約22%もの希薄化が生じており、“攻めの経営”による副作用が大きい状況です。
そのため、今後は株主還元も絞られる可能性が高いとみられ、前期は特別配当
性向36%基準・下限20円を配当方針をしていましたが、今期の配当予想は配当
性向30%・下限16.02円、となっており、下限値の発動がほぼ確実とみられます。
ただ今期は売出によるEPS希薄化→減配がない旨がアナウンスされているので
マシですが、期中株式がフルに希薄化する来期は配当方針上も資本政策上も、
連続減配を覚悟しなくてはならない水準にあり、会社側が下限配当をどこで設定
してくるか(あるいは設定しないのか)、その辺の還元姿勢の変化が最大の関心
事項かと考えております。
*参考記事① 2015-12-26 711円 ---
NTT都市開発と提携しホテル事業を加速、ひらまつ(2764)。
*参考記事② 2015-02-20 636円 --
今期から最低配当基準を導入、ひらまつ(2764)のレビュー。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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