【7860】エイベックス・グループHD(東証1部) ---
現在値 1,592円/100株 PER24.4 PBR1.43 3月配当優待 9月配当
ダンス系音楽で急成長。非CD分野強化。ドコモ・SB向け映像配信。
配当は3月9月の年50円配当であり、配当利回りは3.14%となります。
エイベックスは株主優待を実施しており、単元以上保有の3末株主に対して、
a-nationの優先予約権を付与しております。また保有株数が増えると予約権
だけではなく10~20%の割引が受けられるとともに、追加で当社オリジナル
のCDやDVDの進呈があります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 1,569億円、経常利益 113億円、EPS 142.3円
■2015年3月期 売上高 1,692億円、経常利益 86億円、EPS 141.9円
■2016年3月期 売上高 1,541億円、経常利益 60億円、EPS 99.9円
■2017年3月期 売上高 1,615億円、経常利益 44億円、EPS 2.8円
■2018年3月期 売上高 1,620億円、経常利益 71億円、EPS 65.0円 ce
□2017年9月中 売上高 684億円、経常利益 6.1億円、EPS ▲14.7円
□2017年12月3Q 売上高 1,210億円、経常利益 48億円、EPS 49.0円(2/8)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比9.6%減の684億円、経常利益は同75%
減の6.1億円となり、期初予想をやや下回って着地しました。音楽事業における
ライブ分野では「a-nation」「ULTRA JAPAN」が牽引して堅調に推移したものの、
前年に好調だったパッケージ販売が低調に推移しました。同様にアニメ事業でも
パッケージ販売が伸び悩んだほか、デジタル事業で不採算の映像配信サービス
を廃止するなど、今上期はやや苦しい展開となりました。
なお2018年3月期の通期予想に関しては期初予想を据え置いており、売上高が
前期比0.3%増となる1,620億円、経常利益は同58.5%増の70億円と大幅な増益を
見込んでいます。下期は音楽事業において安室奈美恵のベストアルバムの販売
があるほか、ライヴでもAAAや東方神起の大型公演の数字が寄与してくるため、
下期偏重で一気に巻き返しを図る形となります。ちなみに、3Q決算は2月8日に開
示されており、安室奈美恵のベスト「finally」が12末で2百万枚超を売り上げたため、
低調な上期からは一変して、3Q単独期間で相当の数字を積み上げています。
当社は2016年5月に新成長戦略を開示しており、従来型の音楽パッケージ販売
の衰退が予想されることから、「ライブ」「アニメ」「デジタル」を重点3項目に置き、
そのコアとしてコンテンツ創出力強化を図っていくという指針を打ち出しています。
現時点では特に目立った取組みは見られないものの、音楽事業とアニメ事業の
融合である「ANiUTA」という定額制の音楽聞き放題サービスの展開を始めたり、
昨年12月1日に竣工した南青山の新本社ビル(フリーアドレスはともかく、各種の
スタジオ等を完備)の機能性が高まっていたり、新本社と同じタイミングで商号や
CIの変更を実施するなどしており、とりあえずカタチから入る方向性のようです。
今期のような“安室効果”は再現性のあるものではないので、次の成長ストーリー
を示してほしいところですが、資本業務提携関係にあるサイバーエージェントが
もっと当社に関与して(出資を増やして)、デジタル事業を推進していくなどしない
限り、中長期的な成長を展望していくのは難しいかもしれません。
なお株主還元については、「配当性向35%、ないし、50円のいずれか高い方」の
配当基準に従い、今期も50円配が維持される見込みとなります。既述のとおり、
新本社ビルが竣工したので、あとはこの建設費用の返済はあるものの、有利子
負債は手許現金でほぼネットできるような水準にあるため、財務にはやや余裕
も感じます。そのため、最近は既にタコ配だったり、タコ配一歩手前だったりしま
すが、50円程度の配当なら最終赤字でも出してしまうものと思われます。
*参考記事① 2017-02-17 1,612円 ーーー
JASRACの独占に風穴をあけるか、エイベックス・グループHD(7860)。
*参考記事② 2015-01-08 1,946円 ーーー
サイバーと資本業務提携、エイベックス・グループHD(7860)。
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