【1780】ヤマウラ(東証1部) --
現在値 949円/100株 修正PER18.3 PBR1.41 3月配当・株主優待
長野県の建築、土木が中心。民間の比率高い。首都圏マンション開発も。
変則決算を考慮した理論上の年間配当は年2回の合計5円で、配当利回りは
約0.52%となります。ヤマウラは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株
主に対して、3,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待
利回りは約3.68%となっております。
業績を確認していきます。
■2014年9月期 売上高 206億円、営業利益 10.0億円 EPS 30.3円
■2015年9月期 売上高 199億円、営業利益 12.9億円 EPS 33.2円
■2016年9月期 売上高 204億円、営業利益 10.9億円 EPS 45.3円
■2017年9月期 売上高 222億円、営業利益 16.4億円 EPS 70.2円
◆2018年9月期 売上高 205億円、営業利益 16.0億円 EPS 51.8円 ce参考
□2018年3月変 売上高 116億円、営業利益 9.4億円 EPS 31.7円 ce
2017年9月期の売上高は前期比8.5%増の222億円、営業利益は18.6%増の16.3
億円となり、期初の減収減益予想から一転して大増額での着地となりました。
主力の建設事業において、大型工事の進捗が想定より早まったことや、販管費
や工事原価の削減に努めたことが主な上振れ要因となります。主な完工案件
としてはJICA発注の青年海外協力隊事務所改修や、富岳通運物流センター
の新築工事、マンション分譲では南流山(70戸)、多賀市(44戸)等がありました。
進行期は変則決算のため6ヵ月予算となるものの、参考値として開示されている
従来基準の2018年9月期の予算については、売上高は7.8%減の205億円、営業
利益は2.1%減の16.0億円と減収減益予想になっています。但し、前の期からの
繰越受注残高は、民間受注を中心に、ほぼ前年並みの131億円を確保している
ため、今期もコンサバ予想と推察されます。今期計上予定の完工案件は、伊那
食品工業の第6工場新築や、美和ダム再開発関連工事などが主要な工事案件
として“名有り”となっています。また、販売用不動産も前年並みの30億円超を
抱えているため、ある程度はマンション分譲で数字を作るものとみられます。
当社は地方ゼネコンらしからぬ好財務状況を維持しており、17億円あった借金
も全て返済して、また無借金企業に復帰しています。手許現金の10億円に加え
飯田市でホームセンターと建設事業を営む綿半HD(3199)株式の持ち合い分等
も含め、15億円を超える有価証券を保有しており、盤石な財務状況と言えます。
また人件費に関しても、地方ゼネコンながら、300名を超える単体社員に対して、
平均年収660万円を支給しているため、その辺もサスティナブルな印象です。
ただそのように堅実な経営姿勢もあり、無借金ゼネコンにしては異例の低水準
での配当状況となっており、今期も通年修正ベースで5円配予想のため、配当
性向は10%以下となる低還元が続きます。しかしながらその一方で、株主優待
制度については拡充を進めており、拡充後の株主数(23,458名)ベースで、年間
およそ1億円弱の優待費用を見積もるとともに、株主数の拡大に努めています。
今般の9月→3月への決算期の変更に関しても、他の多くのゼネコンとの決算
比較を可能にし、ユニバースに入りやすいようにしているものとみられるため、
配当はともかく、株主増加により株価を上げていきたいような印象を受けます。
*参考画像 選択した商品の「すずらんセット」です。
*参考記事① 2015-01-25 393円 ---
100株主にも長野県特産品の株主優待を拡充、ヤマウラ(1780)の短評。
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