【3182】オイシックスドット大地(東証マザーズ) ---
現在値 2,640円/100株 PER54.1 PBR2.28 3月無配 9月優待
農薬や添加物の使用に配慮した青果物や加工食品などをネットで販売。
配当権利日は3月末ですが、配当実績はなく、今期も無配予想です。
オイシックスドット大地は株主優待制度を導入しておりまして、9月末現在の
単元株以上保有の株主に対して、1,000円相当(※勝手推定)のオリジナル
優待品を進呈しておりますので、優待利回りは0.37%ほどとなります。
なお、今回の優待品は「有機栽培(米) 森のくまさん」450gと「有機(栽培米)
北海道ななつぼし」450gの2点で、経営統合記念米の詰め合わせでした。
業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 159億円 営業利益 7.4億円 EPS 78.3円
■2015年3月期 売上高 180億円 営業利益 6.4億円 EPS 59.7円
■2016年3月期 売上高 201億円 営業利益 7.7億円 EPS 90.3円
■2017年3月期 売上高 230億円 営業利益 7.5億円 EPS 87.5円
■2018年3月期 売上高 230億円 営業利益 6.7億円 EPS 49.1円ce
□2017年9月中 売上高 107億円 営業利益 2.3億円 EPS 11.6円(11/13)
2017年9月期中間期の売上高は前年同期比76.4%増の189億円、営業利益
は同12.3%減の2.3億円となり、期初予想との比較はないものの、概ね予算
通りの着地となった模様です。Oisix事業に関してはメディア露出を増やした
影響により、会員数が前期末比で13%超伸長し、売上高が伸長したものの、
高原価率であるトライアル品の販売数増加原因で、利益を押し下げました。
一方で、大地を守る会(以下、大地と呼ぶ)は、販促費の抑制により会員数・
単価ともに減少したものの、セグメントとしては予算水準を確保しました。
なお2018年3月期通期の見通しは据え置いており、売上高が前期比65.1%
増の380億円、営業利益は同11%減の6.7億円を予想しています。Oisix事業
は例年通り利益進捗率がイマイチですが、上述の通り、上期で相当な広告
宣伝費を投じて、順調に会員を増やして(137,359→155,827人)いますので、
予算通り進捗しているものとみられます。一方、大地については、カタログ
リニューアル等を実施し、会員数のテコ入れを図っていく方針です。
当社は業績面の中長期的な定量目標を開示していないものの、目標KPI
として、来2019年3月期の流通総額400億円を目指していましたが、昨年
3月末に大地を買収したことで、1年前倒しで達成の見込みとなりました。
なお大地の買収は株式交換(比率は1:261)によるものであり、買収対価と
しては約43億円がかかったものの、同社の年商120~130億円がオンされ、
当社は“自然派食品宅配”カテゴリーにおいて、NTTドコモ傘下のらでぃっ
しゅぼーや(旧JQ:3146)を抜き去って、業界首位へ躍り出ています。
当社の顧客層は20代~30代の働く女性が多く、時短食材の「Kit Oisix」を
武器に主にECで展開していますが、一方の大地の顧客はシニアが多く、
カタログを使った販売を得意としているため、高い補完性が見込めます。
特筆すべき点は、大地はECを頼らず、自社で物流網を構築している点で
あり、高騰する物流コストをこなし、ニーズも客単価高い首都圏を中心に
自社で2ブランドの共同配送をすることが可能になるので、中長期的には
高い原価改善効果が見込まれます。なお、今回の経営統合を織り込んだ
新中計は年度内に開示予定ですので、一旦その数字を待つ形となります。
また、既述のとおり、今回の経営統合は株式交換で行われたため、新株
発行と大地の“のれん代”約17億円で株価バリュエーションは大きく毀損
したものの、財務面は特に傷んでおりません。ほぼ無借金を継続しており、
50億円超のネット現金を抱えているため、初配も意識される頃合ですが、
自社物流や自社工場に改めて手許資金を振り向けてくる可能性は否定
しきれず、株主還元面では当分期待薄なのがネックと言えばネックです。
*参考記事 2016-11-20 2,059円 ---(ポジ)
マザーズでは希少なMcK出身社長、オイシックス(3182)。
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