【7918】ヴィア・ホールディングス(東証JQS) --
現在値 755円/100株 PER当期赤字 PBR3.67 3月優待配当 9月優待
印刷から撤退、外食に集中。焼き鳥居酒屋、お好み焼き屋など傘下。
配当は3月一括5円配当のため、配当利回りは約0.66%となっております。
ヴィア・ホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の
年2回、100株毎に5,000円の当社グループ食事券を進呈していますので、
配当優待利回りは約13.90%となります(※食事券の行使は1,000円の利用
につき500円分となりますので、実体としては最大50%割引券となります)
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 249億円、経常利益 5.0億円 EPS 7.6円
■2015年3月期 売上高 256億円、経常利益 5.2億円 EPS 10.3円
■2016年3月期 売上高 303億円、経常利益 5.4億円 EPS 10.4円
■2017年3月期 売上高 295億円、経常利益 6.6億円 EPS 8.5円
■2018年3月期 売上高 288億円、経常利益 3.0億円 EPS▲9.1円 ce修正
□2017年9月中 売上高 144億円、経常利益 0.7億円 EPS▲12.1円(11/8)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比3.5%減の144億円、経常利益は
同81.3%減の0.7億円となり期初計画を下回りました。主力の扇屋が鳥貴族
やワタミの新業態の影響を受けたほか、日高屋やファミレスの“ちょい飲み”
といった居酒屋以外にもパイを食われた模様で、堅調な肉業態や紅とんで
は埋めきれず、全社既存店は前年比96.3%に沈みました。この他、人件費
やビール等の原材料費の高騰により、利益面も大幅な未達となりました。
なお2018年3月期通期予算も修正しており、売上高は前期比2.7%減の288
億円(従予:296億円)、経常利益は同55.5%減となる3.0億円(従予:7.2億円)
にそれぞれ修正しています。上期の凹み分を織り込むとともに、下期での
V字回復も前提としない修正幅になっているものの、利益に関しては一定
のコスト削減を前提としているため、やや過大感が残ります。修正開示日
が昨年11月8日ですので、10月の台風影響も織り込んでいると推察される
ものの、11月までの既存店売上は前年に“全敗”しているので要注意です。
今期は本年5月に2020年3月期を最終年度とする中計の初年度となって
おり、オーガニック成長のみで3年後に売上高295→331億円、営業利益
7.4→20.0億円を目指していますが、今般の減額修正により、MA込みでも
達成はほぼ不可能になったとみられます。先述の鳥貴族らとの競合激化
や人件費高騰、原材料高などはいずれも一過性のものではなく構造的に
当社を苦しめ続ける要素となります。焼鳥を中心とする扇屋以外の業態
を育成出来れば復活の目もありますが、外から買った有力業態のPastel
は扇屋コラボの複合謎業態を出店したりしてブランドを毀損している面も
あるため、その辺の業態マネジメント力に関しても疑問符が付きます。
また、アサヒビール宛てに発行したA種優先株の買取が終了し、DBJ宛て
のB種優先株も含め全ての優先株を取得・消却したばかりですが、昨年
8月には進行中の3年中計達成のための名目で、最大17%弱の希薄化を
ともなうMSワラントを発行し、概算で54億円を調達することとしています。
1月上旬の時点で発行総数の約24%の予約権の行使が進んでいますが、
株価低迷で行使価格は当初の971円から600円台にまで落ちてしまって
いるので、資金調達額は当初の想定を大きく下回る見通しです。
会社側ではこの資金調達により、約25億円を改装及び新規出店に、約21
億円をMA及び待機資金とする目論見でしたので、これが思うように調達
出来ないのであれば減配(※記念配は当初より落ちる予定)ないし無配に
戻すべきですし、ましてや店舗減損等で今期は最終赤字転落予想にもか
かわらず5円のタコ配を継続するのは、資本政策的にも理解出来ません。
ということで、業績的にも財務的にも見所が殆どなくなってしまいましたが、
当社会長であり、“すかいらーく横川4兄弟”の末っ子である横川紀夫氏の
長男である正紀氏の率いるウェルカム社との提携を8月に発表しています。
同社は、あのDEAN&DELUCAを買収したタイの不動産会社から、日本での
同ブランドの永久ライセンスを獲得したサザビーリーグのような会社であり、
以前は当社が出資元でしたが、現在では同社が当社へ出資をしています。
DEAN&DELUCAはプリン屋のPastelなんぞより高感度で幅の効くブランド
なので、横川親子の連携でうまく業態(商品)開発してほしいと思います。
*参考記事① 2016-07-05 879円 --
増資で優先株の消却進むも中計は過大、ヴィア・ホールディングス(7918)。
*参考記事② 2014-08-07 840円 --
今期はついに復配?ヴィア・ホールディングス(7918)のレビュー。
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