【3397】トリドールホールディングス(東証一部) ---
現在値 4,170円/100株 PER30.3 PBR5.02 3月配当 9月株主優待
焼き鳥店発祥。低価格のセルフ式うどん『丸亀製麺』にシフト。
配当金は3月一括の26.5円配で、配当利回りは約0.64%となります。
トリドールは株主優待を実施しており、9月末に単元以上を保有する株主
に対し、2,000円分の自社優待食事券を進呈しておりますので、配当優待
利回りは約1.11%となります。
業績を確認していきます。当社はIFRS採用企業です。
■2014年3月期 売上高 709億円、税前利益 23.7億円 EPS 24.8円
■2015年3月期 売上高 783億円、税前利益 36.1億円 EPS 48.8円
■2016年3月期 売上高 955億円、税前利益 81.1億円 EPS 120.6円
■2017年3月期 売上高 1017億円、税前利益 84.6億円 EPS 129.9円
■2018年3月期 売上高 1112億円、税前利益 89.9億円 EPS 137.5円ce修正
□2017年9月中 売上高 560億円、税前利益 44.1億円 EPS 69.2円(11/13)
2017年9月中間の売上高は前年同期比11.7%増の560億円、税前利益は同
11.3%増の44.1億円となり、期初予算を上回って着地しました。主力の丸亀
製麺において、「旨辛肉つけうどん」といった高単価メニューの投入により、
既存店売上高が106.0%と大変好調に推移しました。国内はMAによる取得
を含め71店を出店(純増は63店)したほか、海外についてもマレーシア等で
“Boat Noodle”を積極出店したことにより、59店の出店(純増は41店)となり、
内外合計の上期末店舗数は1,315店となり、売上高段階から躍進しました。
なお、2018年3月期通期予算についてはほぼ据え置いており、売上高が
前期比10.3%増の1126億円、税前利益は同6.2%増の89.9億円を予想してい
ます。上期の実績を参考に国内事業の既存店前提を99.5%→101.0%へ引き
上げるほか、下期も内外で130店弱というハイペースの出店を前提として
いるものの、金利負担増等や不調事業(?)が存在するものとみられ、ネット
すると期初予想線に留まるという見立てですが、保守的な印象も受けます。
今期は2020年3月期を最終年度とする中計の初年度となっており、3年後に
売上高1017→1539億円(CAGR15%)、税前利益84.6→122.7億円(CAGR13%)
を目指しております。これだけの企業規模になっても、向こう3期で年率2桁
の伸びを目指すという意欲的な内容ですが、主力の国内の丸亀製麺では
大した伸びを見込んでおらず、新業態「豚屋 とん一」の出店加速や、海外
でのFCを活用した大量出店、他社ブランドのMAによる成長を目指します。
当社は2014年に公募で42億円(@1,315円)調達しているほか、人材教育の
拙さで失速していた国内の丸亀製麺が急速に出直っていることによるCFの
改善により、有利子負債を手許現金でほぼネットしている良好な財務状況
が継続しています。自己資本比率も51.9%と高い水準をキープしているため、
足許では立ち飲み屋の「晩杯屋」を運営するアクティブソース(年商9億円)
を11億円で買収しているほか、とんこつラーメン屋の「ずんどう屋」を運営
するZUND(年商36億円)を33億円で買収するなど、好財務を活かした攻め
の外部成長戦略が目立ちます。一昨年にはTDインベストメントというCVC
を立ち上げたほか、7月には米国外食ファンドに6億円を出資しているため、
内外でMA案件のアンテナを高くして、業容を拡大していく方針のようです。
(なお、マーキュリアから30億円で買った化粧品のSONOKOの現状は不明)
ちなみに当社は、比較対象企業であるクリレスHD(3387)に先駆けて、既に
IFRSに移行しており、BSには70億円を超える“のれん”がしっかりと乗って
おりますが、買った会社も大体上手くいっている印象ですので、現段階では
特に心配は要らないと思います。・・・というか最近の(再)上場外食企業は、
本来の姿ではない“のれん”をタンマリ抱えて、平然とIFRSにしているので、
当社の抱える“のれん”など、他と比べると大分良心的な部類だと思います。
*参考記事① 2016-12-19 2,389円 ---
マーキュリアからSONOKOを30億円で買収、トリドールホールディングス(3397)。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。