【6750】エレコム (東証1部) ---
現在値 2,607円/100株 PER17.1 PBR3.30 3月配当優待 9月配当優待
PC周辺機器大手。マウス、キーボード首位。スマホ周辺も。ファブレス。
配当は3月9月の2回・計45円配当のため、配当利回りは1.73%となります。
エレコムは株主優待制度を導入しており、3末と9末の年2回、100株以上を
保有する株主に対して1,000円分のクオカードを進呈しているほか、これと
は別に3末株主に対しては2,000円分の自社製品も進呈しておりますので、
配当優待利回りは3.26%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 691億円、営業利益 69.6億円、EPS 91.8円
■2015年3月期 売上高 757億円、営業利益 81.4億円、EPS 100.8円
■2016年3月期 売上高 811億円、営業利益 89.0億円、EPS 118.7円
■2017年3月期 売上高 818億円、営業利益 100.3億円、EPS 161.5円
■2018年3月期 売上高 980億円、営業利益 101.0億円、EPS 152.1円 ce
□2017年9月中 売上高 455億円、営業利益 48.0億円、EPS 78.2円(11/6)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比17.6%増の455億円、営業利益は
同4.2%増の48.0億円となり、概ね期初計画線で着地しました。スマホ関連が
一服となったものの、PC関連でケーブル商品が堅調に推移したほか、今期
からDXアンテナ(年商約120億円)が期初よりフルに寄与するため、売上高
は大幅な増収となっております。なお、同社は今期の利益寄与は殆どない
(むしろ赤字)計画ですが、上期は営業利益を確保して着地した模様です。
2018年3月期通期予算は据え置いており、売上高は前期比19.7%増の980
億円、営業利益は前期並みの101億円を予想しています。スマホ関連が
大手OEM案件の剥落により低調が継続するものの、PC関連は前年並み
を見込む一方で、成長著しいストレージやネットワーク機器に関しては2桁
の伸びを見込みます。今期のDXアンテナのシナジー発現は限定的です。
当社は果敢なMAを進めており、3月に約104億円の巨費を投じて船井電機
からDXアンテナを買収しましたが、6月にはセンシングやLSIの受託開発を
展開するD-CLUE社を新たに子会社化しています。社員40人程で、当面は
利益貢献ないどころか、年間2億円弱の“のれん代”がかかりますが、他社
で受託出来ない先端案件を多数保有しており、NEDOから受託していたり、
九州工業大学と産学連携していたりと、小粒ながら技術力の高い会社です。
B2Bでエンベデッド(組み込み)に注力し、業容の一新を図る当社にとって、
グループ会社群の技術開発力を底上げする意義のある買収と言えます。
当社は中長期的な定量目標の外部開示を行っていないものの、既存事業
の売上高で1,000億円(これは既に射程圏)、その先の目標として新規事業
も含めて、目標年限こそないものの、売上高2,000億円を目指しています。
ここ数期の順調な業績のモメンタムを考慮しても、やや過大感のある目標
ですが、DXアンテナ・D-CLUEの2社を含め、これまで買収してきた子会社
のエンベデッド等での本格的なシナジー発現はこれからであり、ある程度
“駒が揃った”来期以降の具体的な取組の発表に期待したいと思います。
なお当社はDXアンテナ買収の手当てとして、3月に大和証券・りそな銀行
を割当先に100億円の転換社債(CB)を発行しておりますが、本中間時点
では全く転換がされておらず、丸々全てが潜在株式として残っています。
ちなみに下限転換価格は@2,400円であり、仮に全て行使されると約10%
の希薄化が発生しますので、その辺は多少留意しておく必要があります。
*参考記事① 2017-08-02 2,422円 ---
100億円の巨額買収で「脱・PCアクセサリ屋」に挑む、エレコム(6750)。
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