フィスコとシークエッジが触手伸ばす、アイスタディ(2345)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2345】アイスタディ(東証2部) --

現在値 1,344円/100株 PER83.2 PBR1.89 12月配当優待 6月優待

IT技術者学習ソフト等eラーニングが主力。オラクル認定DB研修も。
配当金は12月に一括の5円配当であり、配当利回りは0.37%となります。

アイスタディは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する6末

・12末の株主に対して1,000円分のクオカードと自社製品20,000円分の

割引券を進呈しておりますので、クオカードの方だけで配当優待利回り

を算出すると1.86%程度の利回りとなります。

業績を確認していきます。
■2014年03月期 売上高 10.6億円、経常利益 0.4億円 EPS 27円 
■2015年03月期 売上高 9.6億円、経常利益 ▲0.3億円 EPS ▲30円 
■2016年03月期 売上高 5.0億円、経常利益 ▲0.3億円 EPS 67円 
■2016年12月期 売上高 3.9億円、経常利益 ▲0.1億円 EPS ▲12円変

■2017年12月期 売上高 7.5億円、経常利益 0.2億円 EPS 11.8円 
□2017年6月中 売上高 2.8億円、経常利益 ▲0.1億円 EPS ▲6円 

□2017年9月3Q 売上高 5.1億円、経常利益 0.0億円 EPS 0.5円(10/31)

変則決算明けのため単純比較はできないものの、2017年6月中間期の

売上高は前年同期間比15%増の2.8億円、経常利益は赤字幅が半減し、

▲0.1億円程となり、中間時点での黒字転換を見込んでいた期初予想を

下回りました。主力のLMS事業において、4月に新たな法人向けビデオソ

リューションである「Qumu」を発表したほか、研修事業においては、6月に

親会社のブイキューブより取得した収録・配信スタジオが業績に寄与し始

めたものの、認知度不足と売上の按分計上の影響で未達となりました。

ただ、足許10末に既に開示されている3Qは順調に回復していることから、

12箇月決算に復帰する2017年12月期通期予算を3Q時点で修正しており、

売上高は7.5億円(従:6.4億円)、経常利益は0.28億円(従:0.27億円)に其々
増額しています。LMS事業においては既述の「Qumu」の受注数が飛躍的

に増加していることや、9末にはLMSシステムの大型受注があったため、

人件費増加や新製品の販促費増加をこなして、増益となる見通しです。

当社は2015年末にブイキューブ(3681)がこれまでの筆頭株主であったSE

HD&I(9478)より6割近い株式をTOB(81万株@744円)で譲受して、当社の

親会社となっておりましたが、本年8月にネクスグループ(6634)子会社らを

割当先とした、5%ディスカウント付の第三者割当増資(@1,040円)で7億円を

調達したことで希薄化が進み、ブイキューブ持分は4割へ減少しています。

 

ただ依然としてブイキューブが多くの持分を握るため、社長・役員の派遣と

いった人的支配や協業関係に変更はないとみられるものの、今回の割当先

はネクスの支配株主である金融情報会社のフィスコ(3807)や、その裏には

シークエッジ(電話担保金融業者マルフクの旧オーナー)の白井一成氏及び

同氏らが率いるファンド等がおります。そのため、今回の資金調達の使途と

して、本業の人件費やシステム増強以外に、フィスコの運営する仮想通貨

取引所への出資や仮想通貨ファンドへの出資にかなりの資金が割かれる

見通しとなっており、単純にIR情報を動画配信を開始するといったフィスコと

の「わかりやすい提携」にとどまらず、前のめり気味な内容となっています。

 

このような目まぐるしい資本異動がある状況であり、親会社のブイキューブ

も足許では決算延期でバタついているため、会社の方向性はかなり不透明

感が増してきたものの、一旦はこの三者割当で一息ついたことも事実であり、

QonQでの売上も順調な右肩上がりの兆候が確認出来るため、ひとまずは

増額修正後の今期予算が無事達成されるか否かを見守りたいと思います。

 

*参考記事① 2017-03-13  994円 --

全ては親のブイキューブのやる気次第、アイスタディ(2345)。

 

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