業績頭打ちも、株主還元で評価余地・ファルコホールディングス(4671)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4671】ファルコホールディングス(東証1部) ---

現在値 1,541円/100株 PER11.5 PBR 0.94 3月配当優待 9月配当優待

臨床検査受託大手、調剤薬局も展開。薬局譲渡しドラッグストア撤退。
配当金は3月9月で合計40円のため、配当利回りは2.60%となります。

ファルコホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末

に100株以上を保有する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈して

おりますので、配当優待利回りは約3.89%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 584億円、経常利益 11.8億円 EPS 189円 
■2015年3月期 売上高 470億円、経常利益 18.2億円 EPS 98.9円 
■2016年3月期 売上高 487億円、経常利益 22.2億円 EPS 120円 
■2017年3月期 売上高 459億円、経常利益 22.6億円 EPS 133円 

■2018年3月期 売上高 460億円、経常利益 23.0億円 EPS 133円 ce
□2017年6月1Q 売上高 116億円、経常利益 5.8億円 EPS 32.6円(8/4)
□2017年9月中 売上高 235億円、経常利益 11.0億円 EPS 59.8円 四e

2017年3月の売上高は前期比5.7%減の459億円、経常利益は同1.8%増の

22.6億円と期初計画を若干下回って着地しました。主力の臨床事業に関し

ては、受託検体数の伸び悩みにより減収となったものの、原価の低減や

人件費減少により増益を確保しました。一方で、調剤薬局事業については
ついては純減1店舗で期末110店舗になったことにくわえ、昨年4月の薬価

及調剤報酬の改定の影響を大きく受け、減収減益となりました。

進行期の2018年3月期の予算については、売上高が変わらずの460億円、

経常利益は微増の23億円を見込んでいます。臨床検査事業に関しては、

前年に営業拠点を強化した大阪等都市部等の拡販、開業医向けの営業

強化を図る一方で、調剤薬局事業に関しては引き続き薬価改定の影響を
色濃く受けることが想定されるため、良くて横ばい程度の見通しです。

 

今後の業容拡大策として、既に昨年学研系のODKホールディングス(3839)

から3.6%の出資を受け、資本業務提携に至っています。具体的には当社

の電子カルテクラウドサービス「HAYATE/NEO」の開発・改良協力、新たな

協業によるサービス等が主となってくるものと思われますが、資本提携の

発表から約1年が経過したものの、あまりこれといった成果が見当たらず、

方向性も見えてこないので、当面の業績寄与は殆ど見込めません。

当社は良好な財務状況(ネット現金約40億円)を原資に、株主還元に注力

しており、純資産還元率3%をターゲットに還元を続けています。配当推移も
【22→25→30→36→38→40円】、と増配基調を継続しているほか、これと

は別に4億円程度の自社株買いを実施しているため、配当性向目安の30%

と合算した総還元性向はおよそ55%程度に達しています。そのため、業績

的には頭打ち感が強いものの、この旺盛な還元意欲に関しては別途評価

することも可能かと考えております。


*参考記事① 2015-08-07 1,359円 ---
学研系のODKと資本・業務提携、ファルコホールディングス(4671)。


*参考記事② 2015-07-25 1,621円 --

純資産還元率3%メドで連続増配、ファルコホールディングス(4671)。

 

 

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