【7256】河西工業 (東証1部) ---
現在値 1,562円/100株 PER8.0 PBR1.10 3月配当株主優待 9月配当
自動車内装インテリア部品メーカー。ドアや天井など。日産向6割強。
配当金は3月9月の合計34円配当のため、配当利回りは2.18%となります。
河西工業は株主優待制度を実施しており、3月末に100株以上を保有する
株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りは約2.81%となります。なお1年以上継続保有で優待は倍になります
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 1,794億円、経常利益 96.3億円、EPS 156円
■2015年3月期 売上高 2,147億円、経常利益 117億円、EPS 174円
■2016年3月期 売上高 2,379億円、経常利益 161億円、EPS 224円
■2017年3月期 売上高 2,225億円、経常利益 156億円、EPS 236円
■2018年3月期 売上高 2,230億円、経常利益 132億円、EPS 193円 ce
□2017年6月1Q 売上高 1,100億円、経常利益 62.0億円、EPS 91円(8/8)
□2017年9月中 売上高 1,100億円、経常利益 64.5億円、EPS 91円 四e
2017年3月期の売上高は前期比6.5%減の2,253億円、経常利益は同2.9%減
の156億円となり、期初および期中の増額修正値に対しても上振れして着
地しました。主戦場の海外において、北米における失注や欧州・アジアに
おいても円高による為替の影響があったものの、主に国内において日産
向けの売上が好調だったため、減益ではあるものの殆ど巻き返しました。
為替に関しては期初想定110円(USD/JPY)のところ、通期着地は109.44円
でしたので、想定より円高だったことを考慮すると、健闘したと言えます。
進行期である2018年3月期の予算については、売上高が微増の2,230億
円、経常利益は15.7%減の132億円を見込んでいます。やはり北米の失注
が大きく、今後はローカルメーカーの台頭も予想されることから、目先は
苦戦が予想される状況です。為替レートは前の期並みの110円(USD/JPY)
で置いており、予想外の円安局面があれば浮上の目もありますが、過剰
な期待は出来ません。なお、上記のとおり既に1Q決算が開示されており、
国内と堅調な中国市場が下支えする形で、非常に順調な利益進捗を示し
ておりますが、一部コスト削減策が効いている部分があり、トップラインは
前年同期間比でマイナスになっているので、現時点では判断出来ません。
当社は「KR10」という長期経営計画(FY2014-2023/10Y)の中間年度にさし
かかっています。この長計内のマイルストンとなる3年中計においては、
今期の売上高2,350億円・営業利益141億円を見込んでいましたが、結局
アタマの初年度だけ達成したものの、今期は期初の段階で早くも白旗を上
げています。繰り返しになりますが、やはり北米(というか当社の場合はも
ろにメキシコ(!)に工場がある)が足枷となりかねない状況ですので、北米の
トヨタは勿論、米系からもしっかりOEMを受注出来ないと苦しい状況です。
一方、国内では最重要顧客である日産がMMCを傘下に収めたことによる
“おこぼれ”が期待できる状況であり、この国内需要を原資に取扱品目を
増やしていけるかどうかが中・長期的には鍵になると思われます。
一方、株主還元に関しては、2014年3月期から連続増配基調を続けており
【9→11→16→26→32円】、今期は2円増配の34円配を予想しています。
ただ業績が安定していて、自己資本比率も4割程度確保しているわりには
なお配当性向は2割を切る水準であるため、この辺は一歩踏み込んだ還元
を期待したいところですが、1割強の当社株を握る筆頭株主の長瀬産業に
とっては当社はいい販売先でもあるので、その辺の株主還元プレッシャー
はさほどあてにできないかもしれません。
*参考記事 2016-06-30 897円 ---
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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