【8871】ゴールドクレスト(東証1部) ---
現在値 2,623円/100株 PER13.6 PBR0.82 3月配当優待9月配当優待
少人数効率経営のマンション分譲業者。タワー中心。好財務体質。
配当は3月9月の合計50円配のため、配当利回りは1.91%となります。
ゴールドクレストは株主優待制度を導入しており、3月末に100株以上を
保有する株主に対して、1,000円分のQUOカードを進呈しておりますので
配当優待利回りを算出した場合、約2.28%となります。
業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 302億円、営業利益 56.9億円 EPS 85.8円
■2015年3月期 売上高 196億円、営業利益 33.8億円 EPS 56.3円
■2016年3月期 売上高 300億円、営業利益 68.7億円 EPS 118円
■2017年3月期 売上高 358億円、営業利益 88.6億円 EPS 153円
■2018年3月期 売上高 405億円、営業利益 113億円 EPS 192円ce
□2017年6月1Q 売上高 221億円、営業利益 85億円 EPS 144円(7/27)
□2017年9月中 売上高 240億円、営業利益 60億円 EPS 104円 ce
2017年3月期の売上高は前期比19.1%増の358億円、営業利益は同28.9%
増の88.6億円となり、期初計画を下回りました。前の期に続いて2桁超の
増収増益となったものの、4Qの販売が予想を下回った模様です。かねて
からの注力物件である矢向壱番館(421戸)にくわえ、昨年6月竣工の木場
(237戸)が寄与したほか、中目黒の山手通り沿いの事務所ビルを販売用
不動産として売却したため、営業利益段階から数字が押し上がりました。
進行期である2018年3月期の予算は売上高が13.1%増の405億円、営業
利益は27.5%増の113億円と、3期連続で年率30%程度の営業増益が続く
計画です。今期は2月竣工の熱海(320戸・後述)の引渡が本格的に開始
されることにくわえ、殆ど完売済みとされる矢向壱番館の残り、1月引渡
予定の武蔵新城(140戸)と「その他の完成在庫」が乗ってくる公算です。
特に大きいのが熱海であり、戸平均6,500~7,000万円の高額物件ながら
相当な粗利益率を確保している模様です。そもそもこの物件はジョイント・
コーポレーションが2007年に事業着手したものの、同社が会社更生法の
適用を受けて、基礎杭を打ち込んだ状態で工事が止まってシコっていま
したが、その後当社が買い取って10年の歳月を経て完成した物件です。
工事仕掛中だったため買い手がつかず、当社が買い叩けたという理由も
あると思いますが、現在熱海では建築の「高さ制限」があるため、こうした
タワー物件はもう建たないという希少性があります。
そのため、この引渡が本格化した今期1Qでは売上高が前年同期比4.4倍
の221億円、営業利益が同8.5倍の85.2億円という爆裂決算をマークして
います。通期計画に対する営業利益の進捗率はおよそ75%に達しており
上ぶれ期待が高まるところですが、これまでの当社の傾向を鑑みるに、
熱海の残住戸は出し惜しみして売り急がず、既述の武蔵新城や竣工10
年の芝(481戸)の残住戸等をちょぼちょぼ売って、今期は仕上げてしまう
可能性も十分にあるため、過度な上ぶれ期待は禁物です。
当社は中長期計画を開示していませんが、今期は数字が見えた以上、
来期以降に向け矢向弐番館(309戸)、矢向参番館(261戸)等の販売活動
に注力出来る状況になっています。そのため、約6,000戸分以上はあると
される、低簿価の取得済用地の存在を踏まえると、来~再来期位までは
マンション市況に左右されにくい業績の安定的な伸びが期待されます。
最後に株主還元ですが、当社は長らく年間40円配当を据え置いてきまし
たが、前の期は4円増の44円に増額したほか、今期も創業25周年記念
配当6円を含めた、年間50円を計画しています。またこのほか、今年より
株主優待制度を実施しており、これまで硬直していた株主還元姿勢が
急変したことも、見逃せない変化かと思います。
*株主総会のお土産のタオルです。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。