「ヘパリーゼ」好調も、研究開発費なお重い・ゼリア新薬工業(4559)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4559】ゼリア新薬工業 (東証一部) --


現在値 2,099円/100株 PER29.34 PBR1.76 3月配当優待 9月配当優待

製薬中堅。医療用は消化器系中心。滋養強壮剤「ヘパリーゼ」も柱。
配当金は3月9月の年2回で合計34円で、配当利回りは1.62%となります。

ゼリア新薬工業は株主優待制度も実施しており、3月末9月末に単元株を

保有する株主に対して「ヘパリーゼW」を半期に10本ずつ進呈しております

ので、一本250円で換算した場合の配当優待利回りは約4.00%です。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 619億円、経常利益 68.0億円 EPS 115円 
■2015年3月期 売上高 610億円、経常利益 27.7億円 EPS 48.2円 
■2016年3月期 売上高 624億円、経常利益 44.5億円 EPS 66.2円 

■2017年3月期 売上高 648億円、経常利益 44.3億円 EPS 71.5円 

■2018年3月期 売上高 680億円、経常利益 50.0億円 EPS 75.3円 ce
□2017年9月中 売上高 303億円、経常利益 23.0億円 EPS 30.1円 

2017年3月期通期の売上高は前期比3.8%増の648億円、経常利益は同微

減の44.3億円となり期初予想を下回りました。主力の潰瘍性大腸炎治療薬

の「アサコール」が薬価改定と後発品の影響で低迷したことが主因ですが、

クローン病治療薬「エントコート」が海外の伸長したほか、「ヘパリーゼ群」

が前期比で2割近くも売上を伸ばしたため、ある程度カバーした模様です。

進行期である2018年3月期の予算については、売上高は4.9%増の680億円、

経常利益は12.7%増の50億円を予想しています。「アサコール」は国内では

後発薬とのリプレイスが激しいものの、「エントコート」との販売での補完性

があり、特に海外では欧州やカナダ等主要国で「エントコート」の製造販売

権承認を確保し終えているので、今期は相応の伸びが期待されます。また

「ヘパリーゼ群」もコンビニ向けのウコン系飲料市場では既にトップシェアを

獲得しておりますので、「ヘパリーゼWプレミアム」に代表される高機能・高

単価商品へのリプレイスが期待されます。


研究開発の状況については、今期も前期を上回る90億円程度の開発費を

見込んでいます。「アサコール」の用法用量を追加した"z‐206"がPhaseⅢ

から承認段階に到達しているほか、胃炎薬「アコファイド」のオリジナル品の

"z‐338"もPhaseⅢまで到達しています。このほか、傘下のティロッソでも

改良型のメサラジン製剤"TP05"が承認段階まで進んでおり、これら各種の

パイプラインが臨床段階となっていることから、費用が高止まりしています。

 

また、株主還元に関しては32→34円と2円の増配を予定しているほか、6月

には36億円(3.39%)の自社株買いを発表しており、どこまで買うのか見当が

付かないものの、フルで買うとすれば今期の総還元性向は142%までハネ

上がります。アストラゼネカから買った「ブデソニド」の販売権も265億円と

安くなかったので、財務良化のためにあまり無理して還元しなくても良いと

思うのですが、必要に応じて"自社株売り"をしてくる会社なので、まぁその

辺の資本政策は都合よくやるつもりなのかもしれません。

 

*参考記事 2015-11-08  1,740円 --

ゼリア新薬工業(4559)から優待の「ヘパリーゼW」が届いたので短評。

 

 

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