新中計妥当も、期初から増配予想はサプライズ・全国保証(7164)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7164】全国保証(東証1部) --

現在値 4,785円/100株 PER16.1 PBR3.65 3月配当 株主優待

独立系の信用保証最大手。金融機関全業態との提携の住宅ローンが柱。
配当金は3月一括74円配当のため、配当利回りは1.55%となります。

全国保証は株主優待制度を実施しており、3月末に100株以上を保有する

株主に対して、3,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待

利回りは約2.17%となります(※1年継続保有で5,000円分に増額されます)

業績を確認していきます。   
■2014年3月期 売上高 270億円、経常利益 155億円、EPS 136円 
■2015年3月期 売上高 295億円、経常利益 241億円、EPS 219円 
■2016年3月期 売上高 319億円、経常利益 263億円、EPS 250円 
■2017年3月期 売上高 359億円、経常利益 290億円、EPS 284円 

■2018年3月期 売上高 382億円、経常利益 295億円、EPS 295円 ce
□2017年9月中 売上高 151億円、経常利益 110億円、EPS 110円 ce

2017年3月期の売上高は前期比12.5%増の359億円、経常利益は同10.3%

増の290億円となりました。提携先金融機関が前年比12件増の738機関と
引き続き拡大したことで、保証実行件数が増加したほか、代弁の発生率も

想定以下で推移したため、期初予算を上回って着地しました。

進行期の2018年3月期の予算に関しては、売上高が6.4%増の382億円、

経常利益は2.0%増の295億円を計画しております。提携先の金融機関は

JAを除く銀行・信金・信組で既に高水準の提携率となっているため、新規
提携による拡大はあまりアテに出来ないものの、既に提携済の金融機関

によるローン実行高の積み上げにより、保証債務残高10.8→11.7兆円へ

と1兆円弱の増加を計画しています。また、代弁の見込額も前の期実績の

114→121億円、と保守的にみているので、上振れ含みかと思われます。

終わった2017年3月期が3年中計の最終年度となっていましたが、売上高が

325→382億円、経常利益が188→290億円、と大幅に上振れて着地しました。

そして今期からは新たな3年中計がスタートしており、2020年3月期に売上高

451億円(CAGR8%)、経常利益344億円(CAGR6%)を予想しているほか、目標

KPIである保証債務残高13.5兆円・単年実行高81,500件を見込んでおります。

(提携金融機関数のKPIが消失しており、伸び代は限定的と推察されます)。

 

直近5年間の売上高CAGRが10%超、営業利益CAGRが40%超であったこと

を考慮すると、ずいぶん保守的な中計にも見えますが、代弁の発生基準を

良好な現在の雇用環境の継続を前提に計算している点や、新築住宅市況

のピークアウト、空き家等の中古住宅の増加(※保証料増が期待できるが、

属性が落ちるので貸倒も増加する)、金利の上昇リスク等の不動産・金融の

マクロマーケットが不透明なので、会社の想定は概ね妥当圏と思われます。

そして標題の通り、配当性向を今期から22→25%に変更し、期初時点から62

→74円に増配予想を出してきたのはサプライズです。当社は期末通過後の

アクチュアルEPSをもってのみ増配してきたので、期初からこの方針をいじっ

てきたのは、株主還元方針に変化が見られた証左であり、今後はこの配当

性向が順調に切り上がるかどうか否かが、徐々に成熟化しつつある当社へ

の投資判断の基準になろうかと思います。

 

*参考記事 2016-06-26  3,525円 --

中計走破ほぼ確実も過信は禁物、全国保証(7164)。

 

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