【4310】ドリームインキュベータ(東証1部) ---
現在値 2,066円/100株 PER40.1 PBR2.06 3月配当・株主優待なし
VB投資・育成、企業コンサルが柱。純投資抑制、保険などの事業投資へ。
実績ベースの配当金は年1回の3円で、配当利回りは0.13%です。
なお、ドリームインキュベータは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 90.9億円、経常利益 11.0億円 EPS 88.1円
■2015年3月期 売上高 133億円、経常利益 13.7億円 EPS 103円
■2016年3月期 売上高 126億円、経常利益 5.2億円 EPS 43円
■2017年3月期 売上高 145億円、経常利益 5.2億円 EPS 10.3円
■2018年3月期 売上高 155億円、経常利益 10.0億円 EPS 51.5円 四e
□2017年9月期 売上高 70.0億円、経常利益 7.2億円 EPS 46.3円 四e
2017年3月期の売上高は前期比14.5%の145億円、経常利益は0.3%増の
5.2億円となりました。戦略コンサル事業は大企業からの継続受注や長期
受注となる実効支援型PJ増加により、売上高から2割を超える伸びを確保
しました。ただ一方で、インキュベーション事業についてはリネットジャパン
(持分1.2%)とレノバ(同0.5%)の上場があったものの、この小粒な2件に留まっ
たほか、この他の投資先1件で営業投資有価証券の減損を実施したことも
あり、セグメント損益は2期連続の赤字となりました。また、0.65%の持分を
握るとされるZMPの上場延期も痛手となりました。
当社はいつも予算非公表ですが、進行期である2018年3月期については、
売上高が155億円・経常利益は10億円程度の予算が観測されています。
好調の続く戦略コンサル事業は、会社側公表値でもある売上高CAGR15%
の確保が期待されます。インキュベーション事業に関しては、ペット保険の
アイペットが引き続き年率2割の勢いで売上高が伸長しているので、同社の
業績寄与と、(前の期より多いと思われる)IPOで数字を作る形となります。
今期最大の焦点はアイペット上場の如何です。同社は2016年3月に増資
しているので、当社の持分は64.6%まで低下していますが、業績は絶好調
であり、直近3月期の売上高は100億円・経常利益は3億円となっています。
決算期も同じ同業のアニコムの業績予想が、売上高320億円・経常利益
17億円、時価総額410億円であることを踏まえると、アイペットの時価総額
は100~150億円が相当と思われ、当社の持分で換算すると65~100億円
はあるので、上場時には業績が大きくジャンプすることとなりますが、上場
は早くて今期・遅くて来期という状況なので、現時点では不確定です。
予想開示がない当社を語る上でこのアイペットが目下最大の注目ポイント
ですが、次の"玉"として期待出来そうなのが、ベトナム・タイ・インドネシア
の3国に70万人の会員を持つオンラインリサーチ会社「DI MARKETING」と
国内最大の電子チケットサービス会社である「ボードウォーク」です。特に
「ボードウォーク」は電通・ドコモとのJVで、出資比率は22%に留まるものの、
既に国内で450万人もの会員を抱えており、今後はこの会員データをベース
としたファン管理により、飛躍的な業容拡大が期待されています。
そして標記のとおり、足許ではレオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)が
5月9日に5.19%の大量保有報告を出してきています。当社は業種上、業績
の振れ方がかなり激しく、普段ひふみが買うようなタイプの会社ではない
のですが、昨年末までに実施した異例の自社株買い(約2%)同様に、内外
からバリュエーション的には妙味水準と捉えられている証左とも考えられ、
"眠れる獅子"が目覚めるタイミングが近づいてきた印象はあります。
ちなみに、ハガティ駐日大使はBCG在籍時に堀氏の部下だったそうです。
*参考記事① 2015-07-07 2,451円 ---
傘下のアイペットが上場準備へ、ドリームインキュベータ(4310)。
*参考記事② 2014-06-21 1,601円 ーーー
ドリームインキュベータ(4310)株主総会2014、レビュー。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。