今期から巡航も実態は減益予想、ダイユー・リックホールディングス(3546)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3546】ダイユー・リックホールディングス(東証一部) ---

現在値 780円/100株 PER9.59 PBR1.00 2月配当優待 8月配当 

ホームセンター(HC)中堅、福島のダイユー8と岡山のリックCが合併。
配当金は2月8月の計26円配当ですので、配当利回りは約3.33%です。

ダイユー・リックホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末

の単元株主に対し、1,000円のJCBギフトカードを進呈しておりますので、

配当優待利回りは4.61%となります。

業績を確認していきます。 
■2016年2月期 売上高 496億円、経常利益 16.3億円、EPS 103.4円(ダ) 
■2016年2月期 売上高 306億円、経常利益 4.7億円、EPS 25.8円 (リ)

■2017年2月期 売上高 634億円、経常利益 19.0億円、EPS 88.6円変

■2018年2月期 売上高 790億円、経常利益 19.3億円、EPS 81.3円 ce
□2017年8月中 売上高 400億円、経常利益 13.2億円、EPS 54.2円 ce 

経営統合により前期比がないものの、2017年2月期の売上高は当初予算

比変わらずの634億円、経常利益は同15%増の19.0億円となりました。ダイ

ユー、リックともにHC事業の既存店売上が前年を割った一方、ペット事業

は両社とも前年をクリアしました。なお統合にともなう決算期変更により、

ダイユーの事業年度は8日間長く、リックの事業年度は半年間短いという

超変則決算なので、この事業年度の決算値の取扱には注意が必要です。

なお業績が巡航する2018年2月期の売上高は790億円、経常利益は19.3

億円を計画しています。前の期の変則決算を適当に補正すると、実質的

には減益の見通しとなっており、実際にダイユーの既存店想定を98.8%、

リックの既存店想定を98.5%とそれぞれ反落前提としており、好調なペット

事業の既存店想定も100%なので、保守的な見立てをしている印象です。


冒頭で記載の通り、当社はかねてより株式持ち合いをしていた福島地盤

のダイユーエイトと岡山のリックコーポが昨年9月1日付けで経営統合して

出来た会社です。ほくほくFG(北銀・道銀)のように地盤が異なる"飛び地"
統合のため、拠点・物流網の統合によるコスト削減の難易度が高いです。

 

そのため、PB商品の統合・システムや管理部門の統合などで規模効果を

生み出す方針ですが、唯一特徴的な動きであるのはリックの稼ぎ頭である

ペット事業を傘下のアミーゴに統合させることで、イオン・コジマに次ぎ業界

での売上順位が全国3位へと躍り出ました。同業のJOKERの子会社化に

より、ペット事業だけは既に首都圏域に深く入り込んでいるため、本事業を

橋頭保として、店舗空白地帯の本州の未展開域へ展開する方針です。特

にペット事業は動物保険の飛躍的な普及等からも推定されるように、市場

自体が伸びていますので、プレゼンスを高めておくことは意義があります。

中期的な目標として、4年後の2021年2月期に売上高1,000億円、営業利益
50億円(※直近実績17.2億円)を掲げていますが、これはオーガニック成長

ではまず無理なので、基本的には同業他社のMAを追加で実施して数字を

作る可能性の方が高いと思われます。事実、当社の展開エリアは全国で

穴だらけですので、当社グループに合流しても独立性が維持されやすく、

そういった自立志向の地方HC会社の受け皿となる可能性があります。

(※DCM・ケーヨー陣営やコーナン、コメリに入りたくないHC会社は多い)

ちなみに株主還元については旧ダイユーの配当性向基準である25%から、

20~30%水準に引き上げることとし、実際に今期は配当性向31.9%となる26

円配当を予想しています。買収余力確保のため、この財務状況ではあまり

吐き出してほしくないのですが・・・また株式交換前提なのかもしれません。

*参考記事① 2016-06-12 637円(旧リック株価) --
福島のダイユーエイトと経営統合、リックコーポレーション(3147)。

*参考記事② 2014-06-04 554円(旧リック株価) --
手頃なVISAギフトカード優待銘柄、リックコーポレーション(3147)の分析。

 

 

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