「トラ五郎」は業態転換向けフォーマットか、SFPダイニング(3198)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3198】SFPダイニング(東証2部) --- 

現在値 1,434円/100株 PER17.2 PBR 2.09 2月配当優待 8月配当優待

居酒屋「鳥良」「磯丸水産」の経営。クリレスHD傘下。
配当は年2回・合計26円予想のため、配当利回りは1.81%となります。

SFPダイニングは株主優待制度を実施しており、2月・8月末の単元株主

に対して4,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは

約7.39%となります。

業績は下記の通りとなっております。
■2014年9月期 売上高 200億円、経常利益 19.8億円 EPS 56.1円
■2015年9月期 売上高 286億円、経常利益 33.3億円 EPS 74.8円
■2016年2月変 売上高 140億円、経常利益 15.6億円 EPS 31.7円
■2017年2月期 売上高 359億円、経常利益 35.6億円 EPS 71.0円 

■2018年2月期 売上高 370億円、経常利益 37.0億円 EPS 83.6円 ce
□2017年8月2Q 売上高 182億円、経常利益 17.7億円 EPS 38.1円 ce

2017年2月期通期の売上高は前年同期間比13.4%増(変則決算未監査)

の359億円、経常利益は同8.8%減の35.6億円となり、期初予想を大きく

下回りました。出店は計画の41店に対して、40店とほぼ達成したものの、

既存店が開業反動減や天候不順・郊外店不調などの理由で、「鳥良」で

96.9%、「磯丸水産」で90.2%となり、大量出店ではカバー出来ませんでした。


なお進行期の2018年2月期の予算については、売上高が2.9%増の370億

円、経常利益は3.9%増の37億円を見込んでいます。今期の出店数は前

の期の半分の20店を予定しており、積極出店にブレーキがかかります。

出店エリアについても、郊外の「磯丸水産」の不調に懲りて、本来の当社

の選好エリアである東京・大阪の一等地出店に戻していく模様です。

また、当社は親会社のクリレス同様に向こう3ヵ年の中計目標値を公表し

ていますが、今回下方ローリングしており、2年後の2019年2月期売上高

を500→410億円(▲90億円)、経常利益53.5→38億円(▲15.5億円)に減額

したほか、最終年度の2020年2月期の売上高も470億円、経常利益も47

億円までしゃがんでいます。マテリアルには「堅実な成長で300店超へ」

という文言もあり、もはや高成長フェーズにあるとはいえない状況です。

会社側の戦略としては、大量出店した既存店のテコ入れを図るとともに、

好立地物件の契約を活かしたS&Bを推進していくものと思われます。

要は「磯丸水産」で押さえた好立地物件で不採算なものは、「トラ五郎」や

「鳥良商店」等の客単価を抑えた業態に変更していく形です。特に「磯丸

水産」は基本個室はなく、長テーブル・丸椅子だったりしますので、業態

変更が容易で、内装投資コストが抑えられるのは大きなメリットです。

要はやり方次第では、「餃子の王将」のような餃子チェーン店を、東京中

の一等地にポッ、と作り上げてしまうということが可能ということです。親

会社のクリレスが、全国のイオンモールで好立地区画を抑えておいて、

必要に応じて業態転換するモデルを参考にしていると思われますので、
ひとまずこの「トラ五郎」のフォーマットを磨き上げる必要がありそうです。

 

ちなみに親会社のクリレスは今期まさかの減配予想を出してきましたが、 

当社はIPO時に高値での公募に成功していますので、財務面ではかなり

余裕がある状況であり、今期も配当性向30%基準に則り、26円配の維持

を見込んでいます。親のクリレスの方が財務が悪く、海外進出やMAでお

金がいくらあっても足りない状況なので、キャッシュマシンとしての当社

が代わりに安定的な配当を吐き出していくものと推察されます。

*参考記事① 2016-12-04 1,430円 ---
「鳥良」「磯丸」に続く業態開発が課題、SFPダイニング(3198)。

*参考記事② 2016-05-28 1,454円 ---
中計意欲的ながらFC作戦で達成か、SFPダイニング(3198)。

 


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