「鳥良」「磯丸」に続く業態開発が課題、SFPダイニング(3198)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3198】SFPダイニング(東証2部) --- 

現在値 1,470円/100株 PER16.1 PBR 2.22 2月配当優待 8月配当優待

居酒屋「鳥良」「磯丸水産」の経営。クリレスHD傘下。
配当は年2回・合計26円予想のため、配当利回りは1.77%となります。

SFPダイニングは株主優待制度を実施しており、2月・8月末の単元株主に
対して4,000円分の当社食事券を進呈していますので、配当優待利回り
は約7.21%となります。

業績は下記の通りとなっております。
■2013年9月期 売上高 154億円、経常利益 13.5億円 EPS 28.8円  
■2014年9月期 売上高 200億円、経常利益 19.8億円 EPS 56.1円
■2015年9月期 売上高 286億円、経常利益 33.3億円 EPS 74.8円
■2016年2月変 売上高 140億円、経常利益 15.6億円 EPS 31.7円
■2017年2月期 売上高 383億円、経常利益 41.0億円 EPS 88.6円 ce
□2016年8月2Q 売上高 177億円、経常利益 17.3億円 EPS 32.6円(10/12)

2016年8月中間期の売上高は前年同期間比17.3%増の177億円、経常利益
同14.1%減の17.3億円となり、減益となったものの概ね会社側の計画水準
を確保した模様です。今期は通期で41店舗の新規出店を計画していますが、
「鳥良(商店)」を5店舗、「磯丸水産」を直営23店舗・FC1店舗の出店を早々に
済ませたため、この開業費用が先行してかかってきた模様です。


なお12ヶ月決算に復帰する2017年2月期については、売上高が前年同期間
比20.8%増の383億円、経常利益を同5%増の41億円とする期初予想を据え置
いております。既述のとおり、上期に順調な出店を果たしたことはプラス要素
ですが、会社側は上期のトップライン計画割れに関する十分な説明が出来て
おらず、既存店の売上状況もマテリアル非掲載でしたので、想定以下で推移
している可能性が高そうです(←店の外から客入りを観察してもわかります)。
そのため、今期の業績の達成確度に関しては微妙なところかと思います。


当社の直近6期の売上高CAGRは10%超を達成していますが、向こう3年間の
中期経営計画でもこのモメンタムが維持されるような数字を置
いており、3年
後の2019年2月期に売上高500億円、経常利益53.5億円
を予想しています。
出店を良いペースでこなしているので、売上高に関しては相応に仕上がると
予想していますが、利益面に関しては、最終的にFC加盟金収入などで辻褄
を合わせてくるかもしれません(FCはまだ4店舗なので、隠し玉になり得ます)

当社にとって一番の課題なのはやはり業態開発力の弱さであり、この点は
レビューの際に毎度言及していますが、ここが成長のネックになっていると
考えます。「鉄板二百℃」は力のある業態ですが、高単価のため出店立地
や建物を選ぶので出店の汎用性がありませんし、「わたしのサラダ製作所」
に至ってはお客さんが殆ど入っていないので、2店目の可能性は低そうです。

また11月に横浜に業態転換で出店した「磯丸ずし」もその最たる例で、店舗
ファサードやコンセプトは、ヨシックスの「や台ずし」シミラーそのものです。
これは「鳥良」→「鳥良商店」の様に、主力ブランドを派生させるだけの安易
な業態開発に甘んじている証拠ですので、テコ入れすべきだと考えます。

そのため、一昨年の上場時に@1,940円というスッ高値の公募価格で集めた
調達資金を、公募価格を回復していないにも拘わらず、配当性向30%基準
でバンバン返す(親のクリレスに献上する)のはどう考えてもお門違いであり、
業態開発か他社ないし他社業態の買収にお金を使うのが本筋なのですが、
当社は独自で資本政策を決定出来る会社ではないので、仕方ありません。


*参考記事① 2016-05-28 1,454円 ---
中計意欲的ながらFC作戦で達成か、SFPダイニング(3198)。

*参考記事② 2016-01-24 1,420円 ---
業績好調で初の配当を実施、SFPダイニング(3198)。

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