向こう3年間も年率2割超の高成長へ、日本エスコン(8892)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8892】日本エスコン (東証1部) ---

現在値 416円/100株 PER6.67 PBR1.61 6月優待 12月配当

京阪神を中心に分譲マンションを展開。09年に事業再生ADRを終結。
配当金は12月一括の15円の配当で、配当利回りは3.61%となります。

日本エスコンは株主優待制度を導入しており、1,000株以上を1年以上保有する
株主に対して、6末に1,000円相当のクオカードを進呈しておりますので、配当
金と合計した配当優待利回りは約3.84%となります。また2年以上の継続
保有で3,000円のクオカードになる長期優遇制度も導入しています。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 135億円、経常利益 12億円 EPS 31.1円  
■2014年12月期 売上高 188億円、経常利益 20億円 EPS 34.6円
■2015年12月期 売上高 277億円、経常利益 31億円 EPS 44.7円
■2016年12月期 売上高 343億円、経常利益 35億円 EPS 58.7円
■2017年12月期 売上高 455億円、経常利益 48億円 EPS 65.6円 ce
□2017年6月中間 売上高 121億円、経常利益 17億円 EPS 23.1円 ce

2016年12月期の売上高は前期比24.0%増の455億円、経常利益は同14.4%増の
35億円となり、期中増額後の計画値をさらに上回って着地しました。販売事業
において、高槻(136戸)・西宮(71戸)といった分譲マンション等の引渡が491戸
あったほか、大阪市中央区の一棟レジや福岡春日の宅地一団、ニトリ土浦店
の売却、および、賃貸事業に於けるあすみが丘・ふじみ野・堺等の商業底地
の新規物件の寄与もあり、主要セグメントはすべて2割強の増益となりました。

2017年12月期の通期予算は、売上高が32.5%増の455億円、経常利益は同
33.2%増の48億円を予想しています。販売事業における分譲戸数は前の期比
50戸増の541戸を予定しており、ウエイトの高い高槻2棟(95・80戸)が年末と
なるため期末偏重気味となる見通しですが、マンション以外のホテルの売却
(茅場町、馬喰町、金沢尾山町、平野、札幌)や清和台が商品化される予定
のため、当期は一転してマンション以外の部分で数字を作りにいく計画です。

当社は今回の2016年12月期決算で3年中計をクローズさせ、売上高が225→343
億円、経常利益が21→35億円と強烈に上ぶれて着地させました。また、新たに
進行している新3年中計では、売上高343→600億円(CAGR20%)、経常利益
は35.7→72億円(CAGR26%)という引き続き高い目標を置いています。そして
この新中計で画期的なものと言えるのが、累進的配当政策であり、新3年中計
期間は「増配しても、減配はしない」方針となっていますので、今期予想配当の
15円(配当性向22%)は据置き水準のため、これまでの25%基準に照らせば、
今期については16円超~の配当が期待出来るものと考えられます。

一点気がかりなのは、前中計で唯一の未達KPIとなった「自己資本比率30%」
の存在であり、3年前より多少は改善したものの、結局23.7%止まりでした。
にもかかわらず、新3年中計では更にハードルを上げて33%を目標KPIとして
置いており、この辺の財務改善は既述の高配当政策と本来的に相容れない
ものなので、どのように折り合いをつけるのかやや消化難の部分が残ります。

*参考記事 2016-10-08 311円 ---
バルニバービやいちごと提携、中計上振着地が濃厚な日本エスコン(8892)。


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