統合で巨大ボトラー誕生へ、コカ・コーラウエスト(2579)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2579】 コカ・コーラウエスト (東証1部) --

現在値 3,640円/100株 PER31.2 PBR 1.52 6月配当優待12月配当優待

近畿から九州までカバーする日本コカ・コーラのボトラー大手。CCEJと統合。
配当予想は6月12月の年2回合計年44円で、配当利回りは1.2%となります。

コカ・コーラウエストは株主優待制度を導入しており、12末現在の単元株主に
2,700円分の商品交換ポイント(※45ポイント)を付与しておりますので、配当
優待利回りは1.95%となります。


業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 4,317億円、経常利益 166億円 EPS128.2円  
■2014年12月期 売上高 4,244億円、経常利益 106億円 EPS 41.1円
■2015年12月期 売上高 4,404億円、経常利益 137億円 EPS 91.4円 
■2016年12月期 売上高 4,604億円、経常利益 206億円 EPS 48.1円 
■2017年12月期 売上高 9,300億円、経常利益 400億円 EPS 117.5円 四e
□2017年6月中間 売上高 2,050億円、経常利益 140億円 EPS 39.2円 四e

2016年12月期の売上高は前期比4.5%増の4604億円、経常利益は同48.3%増
の206億円となり、期中の増額修正後の予算を上回って着地しました。スーパー
やコンビニ向けに投入した高付加価値商品が伸び、数量シェアの伸び以上に、
売上高シェアの伸びが大きくなりました。なお自販機は前年並となっています。


進行期である2017年12月期は東日本のボトラーであるコカ・コーラ・イースト
(CCEJ)との経営統合を控えているため、会社予想は非開示となっていますが、
売上高は9,300億円、経常利益は400億規模とそれぞれ倍増する公算です。また
会社側でもCCW単独での試算は公表しており、売上高は4625億円、経常
利益は206億円となっており、前の期そのままの横引き数字を置いています。

上述のとおり、本年4月に当社(CCW)とCCEJは経営統合予定となっており、
巡航売上高が1兆円超のメガボトラーとなり、世界のボトラーとの比較では、
売上高約1.2兆円のコカ・コーラ・ヨーロピアンパートナーズ等に次ぎ、世界
3位のボトラーに躍り出ることとなります。株式交換比率はCCW:CCEJ=1:0.75、
となっており、向こう3年間で200億円のコスト削減効果が予想されています。

焦点となっているのが、CCWの筆頭株主として15%の株券を握るリコーの動向
であり、同社がリストラ中であることを鑑みると、ほぼ間違いなく全株券を放出
してくると思われます。統合後の持ち株比率は8%程度になると計算されますが、
CCWもCCEJも多くの株主が入り乱れている状況のため、8%程度の持ち分異動
でも統合後のキャスティングボードを握る上で重要な要素となります。

また米投資ファンドのインダス・キャピタルもCCWに対し、5%超の新規投資を
しているほか、カウンターとなるCCEJ側の株券も買い集めており、しばらくの
間は業績や統合効果よりも、資本異動動向の方が注目要素と言えそうです。



*参考記事① 2015-04-19 2,091円 ーー
日本製紙より四国コカを買収し業容拡大、コカ・コーラウエスト(2579)。

*参考記事② 2014-04-03 1,739円 ーー
コカ・コーラウエスト(2579)から選べる株主優待が来たのでレビュー。


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