前回優待からクオカードに変更、ボルテージ(3639)のレビュー。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3639】ボルテージ (東証1部) ---

現在値 1,016円/100株 PER518.3 PBR21.96 6月配当 12月株主優待

恋愛シミュレーションゲームを携帯やスマホへ配信。顧客は女性に特化。

実績ベースの配当は年間15円で、推定配当利回りは1.47%となります。
ボルテージは株主優待制度を変更しており、単元株を保有する12末時点の
株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈することとなりましたので、
配当優待利回りは2.46%となります。


業績を確認をしていきます。
■2013年6月期 売上高 90.8億円 経常利益 3.4億円 EPS 28.2円  
■2014年6月期 売上高 100億円 経常利益 6.4億円 EPS 57.4円
■2015年6月期 売上高 105億円 経常利益 4.8億円 EPS 45.3円  
■2016年6月期 売上高 112億円 経常利益 4.8億円 EPS 40.7円  
■2017年6月期 売上高 95.0億円 経常利益 1.5億円 EPS 1.9円 ce修正 
□2016年12月2Q 売上高 47億円 経常利益 1.1億円 EPS 8.8円(2/8) 
※2019年6月期は売上高200億円、営業利益ベースで20億円が目標

2016年12月中間期の売上高は前年同期比15.5%減の47.7億円、経常利益は
同42.9%減の1.1億円となりました。基幹シリーズが広告費の抑制等により想定
通りの自然減となったことに加え、新シリーズ・実験作のパズルゲームが想定
を大幅に下回って推移したため、大幅な減収減益となりました。また今期から
中間予想を非開示としているため、予算との比較はないものの、コンセンサス
予想比ではかなり下ブレとなった模様です。

なお2017年6月期の通期予算も修正しており、売上高は前期比15.3%減の95
億円(従:113億円)、経常利益1.5億円
(従:6億円)にそれぞれ減額しています。
従来型の基幹シリーズがジリ貧となる見込みながら、広告費を抑制しつつも、
現在の顧客基盤で稼げるだけ稼いで、新シリーズ・実験作の先行投資に振り
向ける計画ですが、英語圏向けゲーム「L1ON」の収益化が遅れているほか、
既述の通りパズルゲームも苦戦中のため、埋め切れない見通しです。

そもそも今期は2019年6月期を最終年度とする3年間の構造改革期間の初年度
でしたが、たったの6ヵ月間で大幅な業績修正を迫られてますので、会社側の
見通しの甘さが目立ちます。一応この3年間に関しては、定量的な目標はなく、
「15自律チーム制」「ローンチプロセスの変更」など定性的な取り組みが中心
となるため仕方ない部分はあるものの、"出たとこ勝負"感が強い印象です。
また新たな取り組みとして、ボルテージVRというバーチャルリアリティ分野に
特化した子会社を今月より設立してますが、収益化には要時間とみられます。

というわけで、ここ数年は業績的にも定性的にもあまり見るべきところのない
雌伏期が続くと思われますが、財務的には無借金状態が継続しており、現金も
22億円位ダブついているので、今期赤字に転落することがあっても、前期並み
の15円配当が出る公算は高いと思われます。これに併せて期初に2%(1億円)の
自社株買いを実施しているため、この辺の会社姿勢には一定の余裕も感じます。

オーナーの津谷氏が社長に復帰したので、好財務を背景とした本格的な構造
改革に期待したいところですが、「何でもいいのでまず一本ヒット作が欲しい」
・・・というのが正直な感想です。



*参考記事① 2014-02-27  1,694円 ---
ボルテージ(3639)から新設優待のゲームブックが到着したので業績レビュー。

*参考記事② 2013-08-19 836円 ---

ボルテージ(3639)の2013.6月期決算が出たのでレビュー。

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