年間パフォーマンス算出に関する心得。 | なちゅの市川綜合研究所

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いつも年末年始にはこのようなことを言っているような気もするのですが、
この時期になると週間のパフォーマンスや月間のパフォーマンスや年間の
パフォーマンスを算出する方がたくさんいらっしゃいます。

これは私のやや偏った持論で、言うとまた関係各所から怒られるのですが、
この手のパフォーマンスの算出をするのは、一部の方を除いてあまり意味
がないと思っています。意味がある方とない方の区別は、ざっくり以下です。

意味がある方
・機関投資家の方
・専業投資家の方(株のみ、または株が主力)

あまり意味がない方
・兼業投資家の方
・専業投資家の方(不動産賃料収入など他が主力)

意味がある方は、要は"プロフェッショナル"として株を運用されている方です。
機関投資家は言うまでもありませんが、株のみ/株が主力の専業投資家の方
はそれで生計を立てている以上、パフォーマンスこそが全てであり、投資家と
しての評価に直結するものでもありますので、期間パフォーマンスを算出する
ことは、もちろん意味があることだと思います。

あまり意味がない方は、別にプロとして主力でやっているわけではありません
ので、パフォーマンスを計算する必要がありません。生計を立てている訳でも
ないのに、わざわざ7日・31日・365日間の数値を出す必要はないと思います。

例えばパフォーマンス計算が面倒なので、タームを倍にして14日・62日・730日
間で算出したり、タームを3倍にして21日・93日・1,095日にしても、特段の支障
がないことは容易にご理解いただけるかと思います。要はこのパフォーマンス
対象の計算日数(n日・nn日・nnn日)にさえ、これといった意味はないのです。

で、ここからが本旨です。

この時期のTwitterやブログを見ると、「意味がある方」「あまり意味がない方」
を特に区別することなく、凄い数値のパフォーマンス(年率+〇〇%~+〇〇〇%)
が踊っているのを目にすることとなります。私に言わせると「意味がある方」の
パフォーマンスが良いのは、割いている時間が多いのですから、当たり前だと
思いますし、「あまり意味がない方」は割いている時間が少ないのですから、
パフォーマンスが劣っていて、全くをもって当たり前なのです。

(※兼業投資家の方がパフォーマンス計算をする際に、給与所得や賞与所得
による入金分を控除して計算される方がいますが、専業投資家の方が相場に
向かってお金を稼いでいる代わりに、その相場に向き合う時間を仕事に振り
向けて種銭を稼いでいた訳ですから、特に控除する必要もないと思います。)

この辺の前提条件とか、いわゆる「生き残りバイアス」などを前提に置かず、
自身のパフォーマンスを計算して、他の方と比較し始めると、嫉妬心を含め
確実にやられます。自身の投資方針も簡単にブレますし、前年パフォーマンス
の良かった方を盲目的に信用したり、妙なレバレッジを掛けたり、よく知らない
銘柄をいじったりするようになります。これは毎年見られる光景です。

他の投資家と比べて、一喜一憂しないメンタルがあるなら問題ありませんが、
その自信がないならパフォーマンスの計算は控えた方が良いかと思います。

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