通期減額も、300億円の自社株買いで対応・日本航空(9201)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9201】日本航空 (東証一部) ---

現在値 3,397円/100株 PER7.65 PBR1.39 3月配当優待 9月優待*

国内線・国際線ともに2位。公的資金投入とリストラで更正法終結。
配当権利日は3月末ですが、配当予想は未定となっており、仮に前期並
の120円配で計算した場合の配当利回りは3.53%となります。

日本航空は株主優待制度を導入しておりまして、3月末現在の単元株を
保有する株主に対して、国内便が半額になる株主割引券を進呈しており
ますので、1枚4,000円換算した場合の優待利回りは約4.71%となります。
(※2単元保有の場合には、9月にも優待券が追加で1枚発行されます。)

業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 13,093億円 営業利益 1,667億円 EPS 458円
■2015年3月期 売上高 13,447億円 営業利益 1,796億円 EPS 411円
■2016年3月期 売上高 13,366億円 営業利益 2,091億円 EPS 481円
■2017年3月期 売上高 12,800億円 営業利益 1,700億円 EPS 444円ce修正
□2016年9月中 売上高  6,519億円 営業利益  924億円 EPS 196円(10/31)

2016年9月期中間期の売上高は前年同期比5.2%減の6,519億円、営業利益
は同23.0%減の924億円となり、コンセンサス水準を下回って着地しました。
熊本地震発生による国内線の低迷に加え、原油安によるサーチャージ収入
の減少が響いたほか、円高影響や人件費の増加も下押し要因となりました。

なお2017年3月期通期見通しを中間時点で修正しており、売上高を前期比
4.2%減の13,430→12,800億円、営業
利益が同7.8%減の2,010→1,700億円へ
それぞれ減額しています。上期で減益要素となった原油価格と為替レートの
想定を、それぞれ原油安(バレル42.9)・ドル安(ドル円106.4)に保守的に洗替
したことが主な要因となります。但し、この原油も為替も足許のトランプ相場
相応に改善されていますので、表記まで数字は落ちない可能性もあります。

部門別に確認しますと、国際線に関しては客数減少と先述のサーチャージ
減少などがネガティブですが、これらの要素を排した純単価としては約5%の
値上を実現しているほか、当社上得意先である大手総合商社のビジネス
利用が回復しつつあることから、緩やかな改善の方向に向かっています。

国内線に関しては、他社との価格競争や祝日並びの影響による単価下落
や熊本地震の影響もありますが、「九州ふっこう割」による需要喚起なども
あり、国内旅行需要は根強いため、ある程度底堅く推移するとみられます。


なお新しい中計については、来年の2-3月頃の発表が予定されているため、
現段階で有意性のある数値目標などは示されていません。また、株主還元
に関しては、最終利益の約25%を配当金としているため、現段階の数字で
機械的に算出すると120→111円、と前期比9円減配になってしまいますが、
実質無借金の好財務を活かし、配当性向を引き上げる可能性があります。

また、10月末には300億円(4.1%)という、それなりに腰の入った自社株買い
を公表しており、6月に支払確定済の前期配当金435億円と単純合算すると
735億円となり、理論上の総還元性向は約44%に達するため、税負担が軽い
現況も考慮すると、それなりに株主還元する意欲はあるものとみられます。

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