成長著しいも資本政策は謎、KeePer技研(6036)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6036】KeePer技研 (東証一部) ーー

現在値 1,619円/100株 PER20.7 PBR3.18 6月配当株主優待 

カーコーティング材料の製造卸のほか、サービス店を直営とFCで展開。
配当は6月一括でに15円配当のため、配当利回りは0.92%となります。

KeePer技研は株主優待制度を導入しており、6月末に単元株以上を保有
する株主に対して、3,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当
優待利回りは約2.77%となります。

業績を確認していきます。当社は昨年2月のIPOです。
■2014年6月期 売上高 52.9億円 経常利益 4.5億円 EPS 53.1円
■2015年6月期 売上高 57.9億円 経常利益 6.2億円 EPS 63.4円
■2016年6月期 売上高 65.8億円 経常利益 8.1億円 EPS 76.5円
■2017年6月期 売上高 72.0億円 経常利益 9.0億円 EPS 75.2円 ce
□2016年9月1Q 売上高 17.5億円 経常利益 2.4億円 EPS 21.3円(11/10)
□2016年12月中 売上高 39.0億円 経常利益 6.4億円 EPS 53.3円 ce

2016年6月期の売上高は前期比13.7%増の65.8億円、経常利益は同30.3%増
の8.1億円となり、期中に何度か業績予想を上下に修正したものの、結局は
期初予想水準をクリアして着地しました。主力のキーパー製品事業における
FC認定店の数が、前の期比570店増の5,035店に上伸したことによる増収と
直営であるラボ店を6店新規出店したことによる増収が効き、両セグメントと
もトップラインから2桁の伸びを示しました。

注目の2017年6月期通期予想については、売上高が9.3%増の72.0億円、経常
利益が10.6%増の9.0億円と成長モメンタムは一服するものの、年率2桁レベル
の成長が継続する見通しです。本来であれば、直営のラボ店を前の期に12店
出店する予定でしたが、イオンSCへの出店が低調だったため、このテコ入れ
のために出店ペースを落とした経緯があるため、今期はそれの奪還で12店
の新規出店を計画しています。

会社側はこのラボ12店の出店に関して、マテリアルで半ばコミットしている
ほか、8月に三鷹店(この店は東八道路沿い角地にあり、三鷹市・武蔵野市・
調布市の富裕顧客を狙えるため非常に有望と思われます)が出店済であり、
1Q時点で水戸・鈴鹿・福井・交野・尼崎・福山・西熊本が既に"名有り"店舗と
なっているため、出店に関しては確度高めと推察されます。

また、中期的なKPIとして、翌2019年6月期についてもラボ15店の開業を計画
しているほか、既存店売上高についても「110%維持」という大変意欲的な数字
を置いています。元々、当社店舗売上は尻上りに良化する傾向があるので、
FC認定店の増によるブランド知名度の向上如何が鍵になるかと思われます。

そんな訳で、今後数年に渡る年率2桁の成長確度は高いと思われるものの、
いただけないのが資本政策です。当社は3月18日の東証一部鞍替に先立ち、
公募で約6億円を@1,771円で調達しましたが、9月14日には3.7億円の自社株
を@1,361円で市場外で買付けし、速攻で全株を消却しました。会社としては、
ある程度の経済合理性があったのかもしれませんが、結果として証券会社
を儲けさせ、公募株主に損をさせる資本政策となってしまっており、これを僅
か半年でやってしまったのは印象が良くありません。このたった6億円のため
に今後の資金調達機会を逸してしまうことがなければいいのですが・・・。

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