売上好伸長も、広宣費投入を優先・日本BS放送(9414)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9414】日本BS放送 (東証一部) ---

現在値 1,040円/100株 PER12.6 PBR1.29 8月配当優待 2月優待

ビックカメラが親会社のBS放送会社。競馬中継など自社製作が5割。
配当金は8月一括配の18円のため1.73%となります。

日本BS放送は株主優待制度を実施しており、2月末8月末に単元株
保有する株主に対して、1,000円分のビックカメラ商品券を進呈しており
ますので、配当優待利回りは2.69%となります。なお1年以上保有を継続
した場合には、8月末に1,000円分の商品券を追加進呈しています。


業績を確認していきます。
■2013年8月期 売上高 70.1億円、経常利益13.5億円 EPS 92円  
■2014年8月期 売上高 78.0億円、経常利益16.7億円 EPS 77円
■2015年8月期 売上高 88.6億円、経常利益19.1億円 EPS 68円 
■2016年8月期 売上高 102億円、経常利益 21.3億円 EPS 82円
■2017年8月期 売上高 120億円、経常利益 22.0億円 EPS 82円 ce
□2017年2月中 売上高 56.0億円、経常利益 22.0億円 EPS 35円 ce


2016年8月期の売上高は前期比15.2%増の102億円、経常利益は11.8%増
21.3億円となり、期初計画水準を守って着地しました。主力のタイム収入が
堅調に推移したほか、スポット収入についてもBS放送自体の媒体価値向上
と根強い韓国ドラマ人気により広告収入が増加しました。


なお今2017年8月期については、売上高が17.5%増の120億円、経常利益は
2.9%増の22億円と増収増益を見込んでいます。
衛星メディア市場自体の成長
によるマクロ要因と、
前の期に獲得した通販番組が通期で寄与すること等が
期待されます。特に売上については、QoQで見てもなだらかな右肩上がりを
示現しているため、ある程度信頼可能な予想かと思われます。

当社は
暦年ベースの直近7年間に渡り、CAGR15%を軽く超える飛躍的な成長
遂げており、翌2018年8月期に売上高150億円という目標を掲げています。
ここまでのトラックレコードを見る限り、一見して達成可能圏にも見えますが、
衛星メディア市場は既に成長モメンタムが鈍化しており、同業他社の年当り
の伸び率は一桁台に留まっているような状況です。

そのため当社は引き続き高水準の広告宣伝費を投下していくものと思われ、
(※直近2016年8月期の広告宣伝費は6.2→10億円へ約4億円も増加している)
今期は10+α億円、の費用が投下されるものと予想されます。毎期のことで
はありますが、売上高の伸びに比して利益が伸びないのはこの広告宣伝費
による理由が大きく、期中に会社計画通りの利益が確保される見込がたった
場合は、期中で広告宣伝費に回して消化していると思われます。

ということで、当社はまだまだ投資フェーズを抜けておらず、たとえ無借金で
68億円の現金を抱えていようと、ほとんど増配しないのはこの辺が理由です。
会社側の説明では、4K/8Kテレビの設備投資のための資金需要があるとして
いますが、売上高の高い成長モメンタムを維持するために、広宣費を追加投入
してくる可能性も否定できず、その場合別の形で資金調達シナリオを描いてくる
こともあり得ると思います。要は好財務への過度な過信は危険ということです。



*参考記事① 2015-11-26 1,027円 ---
日本BS放送(9414)の株主総会に行ってきました!

*参考記事② 2014-11-27 863円 ---
予告どおりに株主優待を導入、BS11(9414)の業績レビュー。

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