クロワッサンたい焼きの低迷が深刻、ホットランド(3196)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3196】ホットランド(東証一部) ---


現在値 916円/100株 PER55.3 PBR5.5  12月配当優待 6月優待 

「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは0.55%となります。

ホットランドは株主優待制度を導入しており、6月末12月末に100株以上を保有
する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈していますので、配当優待
利回りは3.82%となります。

業績を確認していきます。
■2012年12月期 売上高 190億円、経常利益 5.8億円、EPS 119.1円  
■2013年12月期 売上高 205億円、経常利益 10.3億円、EPS 42.1円  
■2014年12月期 売上高 273億円、経常利益 20.5億円、EPS 112円
■2015年12月期 売上高 309億円、経常利益 15.0億円、EPS 42.3円 
■2016年12月期 売上高 320億円、経常利益 9.5億円、EPS 16.3円 ce
□2016年 6月中 売上高 155億円、経常利益 3.3億円、EPS 1.7円 (8/12)

2016年6月中間通期の売上高は前年同期比4.4%増の155億円、経常利益は同
同48.0%減の3.3億円となり、期初計画を大幅に下回りました。主力の「銀だこ」
自体は低調ながらある程度底堅く推移しているものの、クロワッサンたい焼きを
専売する「銀のあん」や、これを併売する「銀だこ」がブーム一巡で極めて低調
に推移しました。「THE COFEE BEAN&TEA LEAF」の出店費用も嵩みました。

なお12月期通期の予想もこのタイミングで修正しており、売上高は前期比3.4%
の320億円(←344億円)、経常利益は同36.7%.減の9.5億円(←17億円)まで大幅に
減額しており、利益は3期ほど前の水準まで逆戻りします。
「THE COFEE BEAN&
TEA LEAF」の出足がややもたついており、「銀のあん」の底入れも見られないこと
から、なお下期偏重とする会社側の修正予算にはやや過大感も感じられます。

今後の展開ですが、450店舗を超えた「銀だこ」のS&Bや、「銀のあん」の底入れ
が大前提として、「コールドストーン」の多業態化の進展がポイントと思われます。
あんこを作る桐生工場で
「コールドストーン」のアイスバーの製造を行っており、
これを店舗や催事などで直販出来れば利幅がかなり拡大します。当社は決して
安くないお金を払って本業態を外から取得しているので、あの手この手で回収
するのは当然ですが、ブランドマネージメント力が微妙なので、店舗やコンビニ
で派手に展開して、飽きられないかどうかは注意する必要がありそうです。

また、著名パティシエの鎧塚俊彦氏と組んだキッシュ・タルト事業に関してはいい
意味で当社の色が出ていないので、目新しさを求める百貨店やSCのリプレイス
用の業態としては評価の余地があるように思います。

他の浮上の可能性としてありえるのが、5.8%を出資する日本製粉が、たこ焼きの
世界展開を睨んで、ハウス食品と壱番屋のように持分を取り込みにかかるか、
2.7%を出資するサントリー酒類が酒販ルート防衛のために出資を増やすといった
ところでしょうか。特に「銀だこハイボール酒場」は一等地にしかなく、サントリー
製品を前面に打ち出しており、広告効果も高いので理に適っていると思います。

*参考記事① 2016-04-03 1,095円 ---
東証一部指定で配当開始、ホットランド(3196)。

*参考記事② 2014-10-05 1,212円 ---
株式分割により実質的に優待拡充、ホットランド(3196)。

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